オリンピック博物館の東京五輪・日本展遅延 もう楽しめる状況にない?
オリンピック博物館ショップには、東京五輪関連および日本にちなんだ商品が並ぶ Photo:Satomi Iwasawa
<スイス西部ローザンヌのオリンピック博物館で4月2日~11月1日まで、東京五輪に合わせて日本に焦点を当てた展示が予定されていたが、4月にスタートできなくなった。5月に再び開館して同展も始まるのかは、いまのところ不明だ>
世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルスの感染拡大はパンデミックで、いまはヨーロッパがその中心地となっているという見解を示した。本当に、ヨーロッパでの広がり方には驚愕する。ヨーロッパ各国は、全土で休校、在宅勤務、イベント禁止・制限、レストランやバーでの営業停止や滞在人数制限、外出制限、国境封鎖など次々に措置を取っている。
スイスでは、3月16日から全国で休校となり、子供から大学生まで、春休みとほぼつながって4月下旬まで定期通学がなくなる。教育機関での対面教授が禁止のため、語学学校なども対象となり、授業のデジタル化の対応に追われている。
オリンピック博物館も閉館
スイスでは外出制限の措置はまだないものの、100人以上の集会禁止令が出され、公私とも100人以上集まる会は4月30日まで開けなくなっている。これを受けて、美術館、動物園、カジノ、スポーツジム、フィットネスクラブ、スイミングプール、スパといった施設は閉鎖になった。スキー場も即座に閉鎖で、一部では措置を都合よく解釈して営業を続けたが政府は非難し、全国のスキーリゾート地は1か月早くシーズン終了を余儀なくされた。
スイス西部ローザンヌのオリンピック博物館も閉鎖した。ローザンヌというと、日本では若いダンサーたちのための「ローザンヌ国際バレエコンクール」開催地のイメージが強いかもしれないが、国際オリンピック委員会(IOC)本部があり、このオリンピック博物館もあることから、地元でも国際的にもオリンピックの町として認識されている。
1993年に開館したオリンピック博物館は、2013年に改装が完了した。とても人気があるスポットだ。2019年は32万人の訪問者があり、その3分の2が国外からだった。隅から隅まで楽しめるようになっていて、館内レストランもお洒落で居心地がよく、1日中いても飽きないと言ってもいいかもしれない。
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