隣家がキラキラしすぎて裁判沙汰 ヨーロッパで必須のクリスマス電飾は無駄遣い?
この6週間、明るめの夜の中で生活していると、気になるのが電気消費だ。相当な消費量になるのではと想像するが、スイスエネルギー効率エージェント(S.A.F.E.)によると、LEDの電飾が普及しているおかげで、クリスマスの電飾は12月の電気使用量の2%程度だという。(消費者雑誌「ベオバハター」より)
また、クリスマスの電飾は光害だと思う人も少なくないだろう。これについても、同誌では、個人宅の電飾は、繁華街の大掛かりな電飾に比べれば、深刻な影響はないと述べている。
ドイツでは、抑制したい気持ちはあるが
隣国ドイツでも、この時期に電飾を飾る人はやはり多い。12月初旬に発表されたドイツ最大の通信社DPAが委託した調査によると、今年、家にクリスマスの電飾を飾る予定の人は67%で、飾る場所は室内49%、窓33%、庭17%、玄関5%という結果だった。
そんな中、環境を考慮して、電飾を減らそうという意識が広まっている。回答者の57%が今年または将来、電飾を減らしたり、もう飾らないようにしたいと答えた。一方、35%は、環境を考慮して電飾をあきらめることなど考えられないと答えた。
しかし、電気消費を考慮して電飾を減らすかどうかという質問に対しては、44%が減らすべき、44%が減らさなくてよい、11%が無回答だった。
クリスマスの電飾は環境にはあまりよくないとは思いつつも、すぐに大幅に減らすのは、なかなか簡単ではないのだろう。
【参考記事】ドイツで潰えたグリーン電力の夢
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」理事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com
2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。