都市伝説? クレジットカードの男女差別は本当に存在するのか
Does the Apple Card Discriminate Against Women?
アップルカードについて発表するティム・クックCEO STEPHEN LAMーREUTERS
<起業家の怒りのツイートを発端にクレジットカード会社に対して非難の嵐が起きているが、差別の証拠は出ていない>
クレジットカードの取得・使用を含めて、女性がお金を借りるのは、もちろん昔は難しかった。アメリカでもほとんどの銀行やカード会社は、男性の連帯保証人がいない女性を門前払いしていた。
そんな差別は1974年の信用機会均等法で解消されたはずなのだが、実際は今も女性の方が分が悪い。カードローンでも住宅ローンでも、女性はたいてい男性よりも少し高い金利を課される。
起業の世界も似たようなもの。女性起業家の資金調達額はベンチャーキャピタルの投資総額の3%に満たない。銀行から融資を受けられる金額も、平均すると(女性の経営する会社のほうがしっかり稼いでいるのに)男性起業家の半分に満たない。
これが現実。だからカード会社による女性差別なんて話を聞くと、みんな過敏なまでに反応する。
11月初旬に大金持ちのIT起業家がツイッターで、自分の妻にアップルカードがひどい差別的な扱いをしたと書き込んだときも、たちまちネット上に怒りの声があふれた。無理もない。ただし、実際に差別があったと断定するに足る証拠は何もない(ちなみに、アップルカードはアップルと金融大手ゴールドマン・サックスの合併事業だ)。
問題は業界全体にある
疑惑の核心には、利用限度額を決める特殊なアルゴリズムがある。その設定は企業秘密なので確かなことは言えないとしつつ、多くの専門家は男性の限度額が妻よりはるかに高く設定された理由は、性差別のような卑劣なものではないとみている。一方で、性による差別はアップルカードだけの問題ではなく、クレジットカード業界全体に存在するとの指摘もある。
「男女格差は業界全体の問題だが、この事例がそれに当たるかどうかは不明だ」と、商品レビューサイトの運営者テイラー・テッパーは言う。
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