被害者であることを武器にする「#MeTоо」は不快 「若い世代よ、しっかりして」
Taking on Political Correctness 101
本書には、ジャーナリストの故クリストファー・ヒッチェンズが自らの記事の正しさを主張するビデオを、ダウムが学生に見せたときのことも書かれている。女性は面白みに欠ける、その証拠に成功した女性コメディアンはみんなユダヤ人かレズビアンだと論じた悪名高い記事だ。
ビデオに怒る学生たちの姿に、ダウムは80年代に大学の映画の授業でピエル・パオロ・パゾリーニの『ソドムの市』を見せられたときのことを思い出す。拷問シーンを生々しく描写した作品だ。
ダウムはクラスメイトと共に、その作品に耐えた。「一緒に吐き気を我慢しながら、暗い教室でノートを取ろうとした。つらさを共に耐えていたら何だか楽しくなってきて、笑いまでこぼれた。そこから連帯感が生まれ、こんなばかばかしい経験をトラウマにしてたまるものかと感じた」
被害者であることを武器にする「#MeTоо」の風潮に、ダウムは不快感を覚えるとはっきり書いている。X世代が社会に出る頃、フェミニズムとはタフになることを意味した。しかし常に男性優位主義の壁にぶち当たり、笑ってやり過ごすしかなかった。
「年を重ねるにつれて、タフであろうとする私たちの本能は筋肉のようになった。愛する人に去られたときにやるべきことは、悲しみをこらえ、独りになるまで泣かないことだった。地下鉄で強盗に遭って震え上がっても、働いていればこんな経験をすることもあるだろうと考えていた」
ダウムの文章は大胆だ。現代への視線は厳しく、押し付けがましいときもある。だが何より重要なのは、微妙なニュアンスが大切だという彼女のような主張が、トランプ時代のアメリカでは右派にも左派にも見られないことだろう。

アマゾンに飛びます
12月10日号(12月3日発売)は「仮想通貨ウォーズ」特集。ビットコイン、リブラ、デジタル人民元......三つ巴の覇権争いを制するのは誰か? 仮想通貨バブルの崩壊後その信用力や規制がどう変わったかを探り、経済の未来を決する頂上決戦の行方を占う。
[2019年11月12日号掲載]
-
東京都港区/外資系企業での一般事務・庶務業務
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給21万7,200円~
- 正社員
-
「セールスコンサルタント」日系/外資TOP企業の人事/経営層を相手に採用戦略を提案/人材サービス「紹介/教育/研修」
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員
-
港区・虎ノ門ヒルズ/外資系大手企業内での一般事務/資料のスキャニング、保管
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給21万7,200円~
- 正社員
-
外資インフラベンダー PM/システムエンジニア/詳細設計/サービス関連の会社/Windows
株式会社スタッフサービス
- 東京都
- 月給23万5,000円~55万円
- 正社員