中年期の経済的失望に更年期...その先の女の人生って? 新著発表の『SATC』原作者インタビュー
Sex in the City, Again
『SATC』出演陣 HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES
<新著を発表した『SATC』原作者キャンディス・ブシュネルが語る更年期後の「狂乱」と年増フェチ>
今度のテーマは更年期の先に続く女性の人生──。
ニューヨークを舞台に洗練された30代のシングル女性を描いて大ヒットしたテレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』(1998~2004年放送)の原作者、キャンディス・ブシュネルが9冊目の著書を発表した。題して『イズ・ゼア・スティル・セック ス・イン・ザ・シティ?』。物悲しくも笑える本書は、著者いわく「中年期の狂乱」を生きる女性たちの生の姿を描き出す。
ブシュネル自身はこの10年間に両親を亡くし、離婚も経験。おしゃれなカクテルより支え合いを求めて新たな仲間と田舎に移り住み、トレードマークのピンヒールもしまい込んでいたが、ある編集者にニューヨークに戻ってこないかと誘い出された。
その産物が、男女の求愛行動を新たな視点で分析し、さまざまなタイプの50代女性の試練をつづる新著だ。オンラインデートの世界を冒険し、20~30代前半の年増フェチの「カブ(幼獣)男子」と出会い、落ち込んだら怪しいアンチエイジングクリームに散財......。さらにブシュネルはサイクリングを始めようとするが、健康意識が高くて見た目も超若い60代の「スーパーミドル」になる気はゼロだと気付く。
『SATC』の舞台となった時代や自身の中年期について、今年12月に61歳を迎えるブシュネルに本誌ニーナ・バーリーが話を聞いた。
──なぜ更年期ではなく「中年期の狂乱」をテーマに?
更年期では単純過ぎる。私が取り上げているのは50代前半から60代初めの女性たちで、もう閉経しているはず。重要なのは彼女たちの人生の状況、かつての魅力を失って、自分が無価値とされる社会で年配の女性として再び魅力を発見していくということ。多くの女性にとって、この時期は喪失の時期であるのが現実だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙 は書評欄で、あなたの作品はノンフィクションではないと訂正した。小説だ、と。あなたの人生にそっくりなのに、なぜノンフィクションではないのか。
いい質問ね。私は(中年期という)プロセスの渦中にある人物の例として自分を使ったけれど、ほかの登場人物はいろんな人を合成している。創作した部分もあって、実際には起きていないエピソードもある。でも、起こってもおかしくないことではある。
──『イズ・ゼア・スティル』もテレビドラマ化されるとか。誰があなたを演じるのか。