5万組のカップルを別れさせた男が明かす、愛と人間の真実
Breakup Stand-up
────ジョークのインスピレーションはどこから?
僕は奇妙なことが大好きで、ときどき真面目なことにも興味を持つ。憎しみは僕に燃料を投下する(笑)。
スタンダップのいいところは「1人ディベート」ができることだ。自分の主張を披露した後は、相手の主張を勝手に作ってしゃべればいい。
────あなたがジョークにしない話題はあるか? 明確な境界線がある?
ない。適切なアプローチで適切な敬意を払えば、どんなことでもジョークにできる。僕が唯一、取り上げないのは、どちらかというと自分が経験したことのない出来事だ。
僕がトランスジェンダーの話をしても意味がない。ほとんど何も知らないからね。どんな角度から斬り込んだところで、僕の意見は重要でも必要でもない。
ジョークの意図もよく考える。どこで笑わせたいのか? どちら側の人を笑わせるか? 誰かをネタにして笑わせるのか?
────『ジグソー』がきっかけで別れたカップルの数は。
控えめに見積もって、約3万4000組。昨日、93件目の離婚があって、離婚の書類に(記念の)サインをした。
そろそろ数え切れなくなった。インスタグラムに毎日数千件のダイレクトメッセージが届いて、とても全部は読めない。だから控えめと言ったんだ。実際の感覚では5万組くらい別れている。
愛は常に、世界で最も不自由なものだ。恋に落ちるというのは、とてつもない感覚だ。愛とは何か── 自分は最高に楽しんでいると思った瞬間に、君が現れて、僕はもっと幸せになる。自分が最高に幸せな瞬間も、君がいると、もっと幸せになる。それが、僕にとっての愛だ。
────アメリカに進出して、観客の反発が強いと感じるのはどんなジョークか。
宗教かな。宗教は(アメリカ人を)熱くする。繊細なテーマだが、ダークな話をするときは、自分の立ち位置を明確に伝えるようにしている。そこに決して悪意はない。
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[2019年7月 9日号掲載]