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離婚

5万組のカップルを別れさせた男が明かす、愛と人間の真実

Breakup Stand-up

2019年07月05日(金)17時35分
クリスティーナ・チャオ

鋭い観察力と率直な言葉で観客を引き込む COURTESY NETFLIX

<離婚を迷っている人は見ないほうがいい? 若きスタンダップコメディアンが語る愛と人間のすべて>

昨年9月にネットフリックスに登場したダニエル・スロスのスタンダップコメディーショー『ジグソー』は、3万4000組以上のカップルを別れさせ、93組以上の夫婦を離婚させてきた。これでも本人いわく「控えめな」数字だ。

「実際の感覚では5万組くらい別れている。今も毎日、離婚したという報告が届く」

スコットランド出身のスロスは現在28歳。『ジグソー』は別離がテーマではないと語る。「シングルの人たちへのラブレターだ」

ショーの中で、スロスは自分の父親が人生を「愛のジグソーパズル」に例えたエピソードを紹介する。しかし、子供の頃の健全な思い出から話は意外な方向に進み、スロスは世の中が非現実的な恋愛観をゴリ押ししていると批判する。ディズニーのプリンセスには魅力的なプリンスが不可欠だと、子供たちに信じ込ませている、と。

「僕たちの世代は恋愛の概念を美化している。ほとんどガンみたいなものだ」

続いて彼は、観客に自分の関係を見直そうと語り掛ける。あなたのパートナーは、あなたのパズルに本当にはまっているか? あなたは相手のパズルにはまっているか? はまっていないのなら、人生を何年か無駄にしたことを認めて、別れればいい。

そして、多くの人がそのとおりにしている。

スロスの悪びれることもない堂々とした語り口は、17歳でス タンダップコメディアンとして初めて舞台に立ったときから観客を引き付けてきた。

近年はネットフリックスのおかげで国際的なスターになり、どこの国でライブを行ってもチケットは完売。6月中旬に北米ツアーが始まった作目のライブ『X』でも、歯に衣着せぬ人間観察で笑いを誘っている。ツアー序盤、ニューヨークで本番の数時間前にクリスティーナ・チャオが聞いた。

────あなたは10代でこの道に入った。

5歳か6歳の頃からスタンダップコメディーが大好きだった。相手を笑わせることは、僕の家族にとって大切なことだ。

小さい頃、ベッドに入ろうとして、下の階から母と父の笑い声が聞こえると、仲間に入りたくて仕方がなかった。具合が悪いふりをして下に降りると、両親はいつもスタンダップを見ていた。

────17歳で大人を笑わせるのは難しくなかったか。

17歳(のスタンダップコメディアン)が面白いとは誰も思っていないから、僕に対する期待はそもそも低かった。最初のジョークの1つは、自分の母親の胸がいかに大きいか。いつも学校で、そのことでいじめられていたから。

保護者会の後に教師が、あろうことか、教室でみんなに言ったんだ。「スロスのママのおっぱいはデカイぞ」。おかげでいじめられた。だから自分で冗談にした。自分が童貞だということも冗談にした。両親は困惑したに違いない。でも、今は僕を誇りに思ってくれている。

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