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リサイクル

片付けの魔法で急増する古着ゴミ ガーナを悩ませる「ときめかない現実」

The KonMari Downside

2019年06月13日(木)19時15分
エリザベス・クライン

COURTESY OF NETFLIX

<こんまりメソッドの流行で古着の寄付が急増! だが世界では古着の供給過剰が起きている>

ネットフリックスの人気番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』で毎回、真っ先に処分のターゲットにされるのが衣類だ。

番組で片付けコンサルタントの「こんまり」こと近藤麻理恵のアドバイスを受ける人々(そしてアメリカの視聴者たち)は まず、ベッドの上に衣類の山を築き、「ときめく」かどうかを自問し、ときめかないものは処分する。おかげで番組が始まって以降、慈善目的で運営されている全米各地のリサイクル店に持ち込まれる衣類は過去に例がないほど急増している。

慈善団体への寄付は、不要品の処分と崇高な目的とを結び付けるとされてきた。しかし現実には、寄付された古着の大半がゴミになっている。

人類の歴史において、古着は長らく価値のあるものとして扱われてきた。だがこのファストファッションの時代において、状況は逆転。新品の衣類が古着より安く買えるようになり、古着は魅力的な選択肢ではなくなってきている。アメリカでは年に200億着を超える衣類が購入されているが、その多くは品質もファッション性も高いとは言えない低価格のファストファッションで、古着としての価値はほとんどない。

これまでも慈善団体が実際に古着として販売していたのは、寄付されたうちの5分の1程度だった。残りはリサイクル業者や輸出業者に二束三文で売られ、ウエスや断熱・防音材の原料として使われるか、外国で着てくれる人を探す運命だった。

それでも、単に捨てるよりはいいと思うかもしれない。ただでさえ、アメリカで捨てられる衣類と靴は年に1000万トンにも及び、過去20年間で倍以上に増えているのだから。ところが話はそう単純ではない。

例えばアフリカのガーナやサハラ砂漠以南の国々の多くは過去数十年にわたり、最も安物の古着の消費地だった。だが、最近はおしゃれでなかったり、着古されたものはもはや歓迎されないと、古着問題に詳しいリズ・リケッツは言う。「古着の驚くべき供給過剰が既に起きて いる」

抵抗感まで捨てては駄目

ガーナの首都アクラでも、売り物になるのは新品同様か、通気性に優れた特殊素材か、アディダスやナイキといった人気ブランドのものに限られる。それ以外の古着はゴミ埋設地やギニア湾に投棄されるか、焼却処分されるかだ。だが実際には「居住地そばの非公式のゴミ埋設地に捨てられる例が最も多い」と、リケッツは言う。リケッツが立ち上げた非営利団体OR財団によれば、アクラでの廃棄物で最も大きな割合を占めるのが輸入古着だという。

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