遅れてばかりのドイツ鉄道へ恨みを込めて編んだ「遅延マフラー」とは?
格安鉄道会社がライバルとなるか
現在、長距離の乗客輸送ではドイツ鉄道がほぼ独占状態である。しかし、2017年にスタートした格安鉄道会社フリックストレインが昨今乗客を順調に増やしており、ドイツ鉄道のライバルとなるかもしれないと言われている。
ドイツの経済紙ハンデルスブラットによれば、フリックストレインの長距離路線はいまはまだベルリン、シュトゥットガルト間、ケルン、ハンブルク間という2ルートのみの運行で、1日の本数も限られているが、当初の50万人という予想をはるかに超える年間約75万人の乗客が予想されている。
筆者は昨年12月、たまたまドイツ鉄道の大規模なストライキの日に、このフリックストレインでシュトゥットガルト駅からベルリン駅まで移動した。片道9.99ユーロの格安チケットだった。ドイツ鉄道のストの影響で、朝は線路が通行止めという状況だったので大幅な遅延を覚悟したが、シュトゥットガルト駅からの出発が早まり(間に合わなかった乗客は無料で後の列車に振り替えられた)、2駅区間をバスに振り替え、3駅目のハイデルベルク駅から通常の10分遅れの電車で出発。途中駅にはほぼ5分以内の遅れで到着し、最終的には1分の遅れもなく、終着駅のベルリンに到着した。
フリックストレインの車体はかなり古くサービスも少ない。遅延に関しては当たり外れがあると言われているが、その日隣り合わせた乗客たちからは「価格、遅延の割合、全てを考慮するとドイツ鉄道よりはるかにまし」「何度か使っているが、いまのところ満足」という声が聞かれた。
今後ドイツ鉄道の遅延状況に改善が見られなければ、フリックストレインを使いたいという乗客は増えるかもしれない。
「遅延マフラー」をオークションにかけ収益金を寄付
ちなみにドイツ鉄道の遅延を記録した話題の「遅延マフラー」は、購入したいという問い合わせも多かったため、ヴェーバーさんはeBayのネットオークションにかけ、最終的にその売上金をバーンホフスミッション(鉄道駅のホームレス救済施設)に寄付することに決めたという。
オークションは1月14日に終了予定だが、すでに入札額は1370ユーロ(1月10日現在)。謝罪の意を込めてドイツ鉄道が購入するべきではないかという声も上がっている。