「子供に何も買ってやれない」社会の底辺で生きる人々の叫び──反マクロン・デモ、怒りの真相
2018年12月04日(火)18時10分
リヴォリ通りに集まった黄色ベストの群衆(Photo: Ayana Nishikawa)
一方、コンコルド広場付近に到着したころには空気が一変。治安当局と、リヴォリ通りを埋め尽くすデモ隊が衝突し、催涙ガスが当局によって噴射された。肌や喉にヒリヒリとした痛みが走り、視界がかすむ。一部の人々が走って避難をし始めた。
催涙ガスに咳きこみながら避難する人々(Photo: Ayana Nishikawa)
その後、リヴォリ通りに隣接するチュイルリー公園内に入ると、黄色ベストを着用していない10代の少年グループが大音量のエレクトロ音楽を流しながら、美術館に投石をしてガラスや監視カメラを破壊していた。彼らと一部のデモ参加者は公園敷地内で放火をし、治安当局が発煙筒を投げるなどして対応した。その後、10人ほどの男性のデモ隊が公園の大きな鉄製の門を押し倒して破壊し、下敷きになった人たちが救急車に搬送された。
記者が驚いたことが、この光景から約20m離れた同公園内の移動遊園地やクリスマスマーケットで、子供たちが遊んでいたことだった。
公園内で放火する、暴徒化した少年グループや黄色ベスト。(Photo: Ayana Nishikawa)
当局とデモ隊が衝突し、爆発音やサイレンが鳴り響くすぐ側の移動遊園地で子供たちが遊んでいた。(Photo: Ayana Nishikawa)