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自称「天才」率いるセックス・カルト 集団内部の秘密グループに参加したら...

Exposing Cults

2018年11月29日(木)17時55分
ニューズウィーク日本版編集部

――マックも同じような状態になったということか。

マックは現在、カリフォルニアで自宅拘禁されている。重罪に問われており、弁護士によれば司法取引の交渉中だそうだ。

マックはハリウッドで実際に順調にキャリアを積んでいた数少ないメンバーだったが、ラニエールに従うために全てを捨てた。そして起訴状によれば、女性だけの秘密クラブ、実際にはセックス・カルトそのものを構築した。

起訴状に書かれた容疑が全て真実なら、そしてサラの話が本当であれば、ラニエールが女性たちに対して不思議な支配力を持っていたのは確かだ。そこまで女性たちを思いどおりにできたのは異常だし、不安な気持ちにもさせられる。

――そうしたセンセーショナルな内容と、カルトの成り立ちなどに関して掘り下げた内容のバランスを、番組内ではどのように取ろうとしているのか。

私たちの仕事は問題を掘り下げることだ。掘り下げて、いったいなぜそんなことが起きたのかを解明したい。前途ある美しく聡明な若い男女が、何に心動かされてカルトを信じるようになるのか。外部の人間であれば「待て待て待て。それは正しくない。まともじゃない。法律的にも間違っている」と言わずにはいられないような行為に、どうして同意してしまうのか。

――番組では他のカルト集団を取り上げることも多い。共通項は見つかった?

ほとんど全ての集団が、何らかの形で外の世界と縁を切ることをメンバーに強要している。社会から孤立することは非常に危険だ。残響室の中にいると、批判的思考力が停止してしまう。日常的に私たちが、望むらくは間違ったことをしないために使っている判断力が、ある時点から働かなくなるのだ。

ネクセウムはそうではなかったが、子供たちを身体的、感情的、心理的、または性的に虐待している集団が多いことにも驚かされた。(閉ざされた環境に)尊敬を集める指導者がいると、その人物は集団の中で王のような存在になっていく。

そしてその人物が、バービー人形で遊んでいたからという理由だけで「あの子供を殴れ」と言ったり、「四六時中、朝も夜も働かせろ」と言ったりする。セックスをすることで愛を表せと命じるような集団もある。それには子供とのセックスも含まれる。

――ネクセウムは本誌の編集部から数キロしか離れていないニューヨークのブルックリンでも、セミナーなどを通じてメンバーを増やそうとしていたようだ。

そのとおり。だが掲げている看板は異なる。正体を見分けることができたのは、うちの報道スタッフと元メンバーだけだ。それが人を引きずり込む手口なのだ。また、それぞれのカルト集団には、魅力を感じさせるためのからくりがあると(元メンバーの)誰もが言う。

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ニューヨーク州オールバニにあるネクセウム本部 AMY LUKE/GETTY IMAGES

こちらからセミナーを受けたいと思っても参加できないというのも大きな危険信号だ。「セミナーを受けて、どんなものか見極めたい」と思っても、それは無理。向こうから招待されなければならない。

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