心臓病リスクを下げる犬種は? 「ハート」を守る愛犬効果は本当だった
A Heart’s Best Friend
飼い主を心臓病などの健康リスクか らも守ってくれるという Prystai-iStock
<レトリバーがそばにいれば心臓病のリスクも低下する?独り暮らしの飼い主の心と体を癒やす「最良の友」>
人間にとって、ペットは心の安らぎを与えてくれる大切な存在。なかでも犬は、飼い主の心だけでなく体にも恩恵をもたらすらしい。
11月17日付英科学誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)に発表された論文で、研究チームはスウェーデン人約340万人の12年間の健康データを分析。その結果、犬を飼うと心臓病による死亡リスクが20%低下することが分かった。
なかでも「効果」が期待されるのが単身者だ。独り暮らしの場合、犬を飼っている人はそうでない人に比べて心臓病で死亡するリスクが36%低かった。
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これまでにも同様の研究報告はあった。アメリカ心臓病協会が13年に発表したペットと心臓の健康との関連についての声明によれば、ペット、特に犬は飼い主の肥満や血圧や身体活動レベルにいい影響を与えることが複数の研究で分かっている。
「犬を飼うことと心臓病リスクの軽減とが関連しているのは間違いない」と、声明に寄稿したベイラー医学大学のグレン・レバイン教授は言う。
ペットは家族の一員(写真はイメージ) milanvirijevic-iStock
とはいえ、今回ほど大規模な調査は過去になかった。それが可能になったのは、スウェーデンでは入院・通院の記録や婚姻記録と並んで、犬の飼育状況の登録も義務付けられているおかげだ。
「他の調査に比べてデータが完璧にそろっている。他の調査ではアンケート調査を行って、その5年後に追跡調査をしようとしても無理だ」と、論文の上席著者であるウプサラ大学(スウェーデン)のトーベ・フォール准教授は言う。おかげでフォールらは入手可能な記録を全て集め、40~80歳で心臓病にかかった経験のない人に絞って分析することができた。
さらに研究チームは、心臓病リスクを低下させる効果が最も期待できる犬種まで突き止めた。本来狩猟用に品種改良されたポインターやレトリバーなどだ。