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スプレッドシートで!? スキンケア中毒の美容ライターが明かすデジタル時代のローテク美肌術

Silicon Valley Cannot Disrupt Skin Care

2018年08月27日(月)16時45分
インクー・カン(カルチャーライター)

買い過ぎに「待った」

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デパートのコスメ売り場にシーズン毎に吸い込まれてしまう(写真はイメージ) itzcorner-iStock

そんなリストを作っているなんて、よっぽど暇人に違いない、なんて思わないでほしい。こうしたリストを作っているのは筆者だけではないのだ。自分のスキンケア商品リストを公開して、読者にも自分のリスト作りを勧める美容ブロガーは大勢いる。各商品を使ってみた感想や、1個を使い切るまでにかかった日数、主成分、価格などを書き込む人もいる。

エクセルやグーグルスプレッドシートだけでなく、アプリを利用している人もいる。エバーノート(文章の写真をアップロードするとテキストデータ化してくれるアプリ)を使う人もいれば、ピンタレストで写真を多用した視覚的に楽しいリストを作っている人もいる。

とはいえ、シンプル&ローテクのスプレッドシートの最大の魅力は、自分のニーズに合うように自由に工夫できることだ。

スキンケア中毒の筆者の場合、自制心を呼び起こす働きもある。例えば、セフォラで新しい保湿剤を見つけて購入したくなったら、筆者はグーグルスプレッドシートを開く。その「在庫リスト」を見れば、既に似たような商品の未開封品を14個も持っていることが分かる。

【参考記事】日本の写真は「自撮り、食べ物、可愛いペットが多い」

実用性も高い。少し前に、筆者の肌がナイアシンアミド(ビタミンB3)とヒアルロン酸にアレルギー反応を起こしていることが分かった。そこでスプレッドシートと、世界の化粧品の成分を調べられるウェブサイト「CosDNA・ドットコム」(日本語にも対応)を開いて、問題の成分が含まれている商品を特定することができた。

多くのブロガーや美容ライターがひな型を公開しているから、こうしたスプレッドシートは簡単に作れる。ただし、リストの内容は他人のまねをしないこと。自分に合うスキンケア商品は、その人の遺伝的・環境的要因によって異なるからだ。

それでも、ネットで「そこまでやる?」という美容おたくたちのリストを見ると、不思議な連帯感を覚える。そして、自分の「中毒レベル」はまだ序の口だと安心できる。美しい肌を手に入れるには、そんな安心感も重要かもしれない。

©2018 The Slate Group

[2018年4月 3日号掲載]

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