最新記事

結婚

男たちの「逆玉」願望が働く女性を悩ます! 逆「格差婚」のストレス

Can You Still ‘Marry Up’?

2018年08月02日(木)12時05分
ジェシカ・ファーガー(ヘルス担当)

甘えないで! 高学歴で高収入の妻に 養われたいという困った 「逆玉夫」が急増中 ALBERTOGAGNAーE+/GETTY IMAGES

<大黒柱も良妻賢母も要求され燃え尽きてしまうケースも>

現代のアメリカ女性は数十年前と比べて教育水準がはるかに高く、経済的にもはるかに安定している。そんななか、女性は結婚によって経済的安定を手に入れるという伝統的な結婚観にも変化が起きているようだ。

アメリカの男性は女性に比べて、自分より社会的地位がはるかに高い相手と結婚する確率が高い──。そんな研究結果が2017年8月15日付のアメリカ人口学会の学会誌(オンライン版)に掲載された。いわゆる「逆玉の輿」。アメリカの男性は女性の社会進出の経済的恩恵にあずかっているわけだ。

カンザス大学の社会学者らは1990~2000年の国勢調査のデータと、国勢調査局が実施した09~11年のアメリカ地域社会調査の結果を分析。35~44歳の「働き盛り」の年齢層を対象に、夫と妻の双方について教育水準に対する経済的見返り(世帯規模調整後)の変化を調べた。その結果、学士号より上の学位を持つ人の数は女性のほうが多く、彼女たちは自分より低学歴の男と結婚する可能性が高いことが分かった。

【参考記事】生涯未婚率は職業によってこんなに違う

こうした変化は女性にとって不利になるという声もあるだろう。実際、研究チームによれば、結婚することによって女性が得られる経済的メリットは90年からの約20年間で13%減少したという。「女性が世帯の稼ぎ頭になると暮らし向きは悪くなる。夫の収入が大幅に減るせいだ」と、論文の筆頭著者であるカンザス大学のチャンファン・キム准教授は指摘する。

男性の場合、婚前契約によっていざというときのための蓄えを守る傾向が以前からあったが、女性もそうすべきだと、対人関係のコーチングをしているギルダ・カールはアドバイスする。「多くの男性が生活費の高さを理解していて、女性の稼ぎを当てにしたがっている」

それ以上に問題なのは、高収入の女性ほど仕事と家庭のバランスに悩みがちだということ。一家の大黒柱として長時間働いているにもかかわらず、多くの女性はいまだに育児など伝統的な妻の役割もこなしている。女性に対する要求が多過ぎ、それが原因で離婚に至るケースも珍しくないと、カールは言う。「妻が働きに出て何十万ドルも稼ぎ、夫がそれに甘えているうちに妻が燃え尽きてしまう」

男たちの「逆玉」願望は、働く女たちにとってはかなり重荷になっているようだ。

【参考記事】性別と家事分担の根深い刷り込み

[2017年9月19日号掲載]

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、日本人の短期ビザ免除を再開 林官房長官「交流

ビジネス

独GDP改定値、第3四半期は前期比+0.1% 速報

ビジネス

独総合PMI、11月は2月以来の低水準 サービスが

ビジネス

仏総合PMI、11月は44.8に低下 新規受注が大
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること