相棒をベッドに入れる?入れない? 愛犬家の悩みを「睡眠効率」から考えたら...
Sleeping With Your Dog

安眠の妨げ? 一緒に寝たい気持ちは 分かるが、ベッドを共に するのは考えものだ GAUTIER AYCARDーEYEEM/GETTY IMAGES
<犬と同じベッドで眠っている飼い主は夜中にたびたび目を覚ますとの調査結果が発表された>
大切な相棒と同じベッドで寝る?それとも寝室から締め出す? これは愛犬家の多くが頭を悩ませている問題だ。「犬と一緒に寝ると心が休まり、ぐっすり眠れる」と言う人もいれば、「寝室が犬の毛だらけになるのはちょっと」と言う人もいる。
医学ジャーナル「メイヨー・クリニック・プロシーディングズ」に掲載された論文によると、飼い主の睡眠の質は犬との付き合い方に左右されるようだ。
全米屈指の医療機関として知られるメイヨー・クリニックの呼吸器科医、統計学者、心理学者らのチームは、睡眠障害のない健康成人40人を対象に調査を実施。被験者は全員犬を寝室に入れるか、ベッドに入れて一緒に寝る習慣があった。調査は5カ月間行われ、うち7晩は犬と飼い主に加速度計を装着して静的状態にあるか動的状態にあるかを調べた。
その結果、犬とベッドを共にすると飼い主は夜中にたびたび目を覚ますことが分かった。人間のパートナーと共寝すると、1人で寝るより熟睡できるのとは対照的だ。
研究チームがまず探ったのは「睡眠効率」。つまりベッドに横たわっている時間のうち実際に眠っている時間が占める割合だ。
感染症のリスクもある
犬を寝室に入れるがベッドには入れない人は、この割合が平均83%。ベッドに入れる人は
80%で、どちらも警戒レベルではない(80%ならまずまず、85~89%が正常、90%以上なら理想的とされている)。
しかし、さらに調べていくと気になる現象が分かってきた。犬と同じベッドで寝ると、夜中に目が覚める回数が増えるのだ。
過去の研究で8時間睡眠でも途中で何度も目を覚ますと、4時間しか寝ていないのと同じ状態になることが分かっている。こうした状態が続くと、イライラしたり、注意力が散漫になるなどの問題が起こりかねない。
ただし、頻繁に目が覚めるのは犬をベッドに入れる場合に限られ、寝室の床に寝かせるだけなら問題はないと、論文の共同執筆者で睡眠医療の専門家ロイス・クラーンは強調する。