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「女性は取締役には向かない」──英調査で浮き彫りになった呆れた上役の本音と現場のリアル

2018年07月05日(木)12時20分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

Photo:Satomi Iwasawa

今年2月、英エコノミスト誌の2018年度版「ガラスの天井ランキング」が発表され、主要29カ国の職場における男女平等の様子が今年も明らかになった。学歴、労働市場への参加状況、取締役の割合、議員の割合、給与、育児休暇、教育費など10項目に渡る指標を比較した結果は表の通り。

日本がほぼ最下位なのは、わかりきった感があるが、ヨーロッパの大国イギリスが低めの25位?と驚くかもしれない。イギリスは昨年22位からのランク落ちで、大学で学ぶ女性が減ったことが理由だが、最近、女性取締役の割合についての政府委託の調査結果が出て、男性優位の企業風土が強く漂っていることが改めてはっきりとした。

女性取締役の割合は、目下24.5%

イギリスは、2020年までに、上場企業350社が女性取締役の割合を最低33%にすること(自主的目標)を目指している。委託調査「2017 Hampton-Alexander Review」(英政府サイトより)によると、350社の女性取締役の割合は2017年10月に24.5%で、あと数年で33%に達するには、まだかなりの努力が必要だ。350社は、トップ100社と次位250社を合わせた数で、別々に見ると、トップ100社は27.7%、250社は22.8%だった。取締役が男性のみの企業は、トップ100社ではゼロ、250社では8社にとどまった。企業数で見ると非常に少ないが、女性取締役が1人でもいれば男女混合ということになる。

350社で24.5%という数値は、女性の進出に遅れを取っている日本に比べると随分高い。一方、この数値をヨーロッパの中で見ると、おおよそ平均に達している。ヨーロッパの多くの国では、上場企業の取締役の女性の割合を引き上げ、40%にすることが目標とされている。

欧州ジェンダー平等研究所によると、2017年1月、EU28カ国の上場企業の取締役の平均男女比は男性74.7%、女性25.3%だった。国によるバラつきは大きいものの、30%を超える北欧、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギーにイギリスも追いつきたいのだろう(注意:研究所の本調査では、イギリスの割合は27.2%と24.5%よりも高め)。

男性陣のひどい言い訳 「女性は取締役には向かない」

5月末、イギリス政府は「2017 Hampton-Alexander Review」に関連して、なぜ女性を取締役にしないのかという理由の具体的な10の声を発表した。中には散々な理由もあり、調査関係者たちでなくてもショックを受けてしまう。

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