最新記事

英王室

エリザベス女王の従弟が英国王室初の同性婚へ 実娘の反応明かす

2018年6月20日(水)17時20分
有元えり

興味深いことに、結婚を推し進めたのは、マウントバッテン卿の方だという。

「私は結婚を経験していて、素晴らしい子どもにも恵まれたから(結婚を)する必要はないのだけれど、彼にとっては大事なことだから、私は結婚をプッシュしました。彼は、私のような安定した人生を持っていない。だから、(結婚によって)それを与えたいのです」

インタビューの場には、先妻のペニーも立ち会っていた。彼女は2人を全面的にサポートしており、結婚式に参列するのはもちろん、バージンロードではマウントバッテン卿に付き添うという。ちなみにペニーは、自身がマウントバッテン卿と結婚する前に、卿からセクシャリティを打ち明けられていたという。大きな秘密を抱えたまま、16年間も夫婦生活をともにしたペニーの苦悩もはかり知れない。

同性のロイヤルウエディングを、王族も祝福

そんな2人の結婚に対し、エリザベス女王の三男ウェセックス公爵エドワード王子らマウントバッテン卿の幼馴染も祝福しており、英国民からも概ね支持を受けているようだ。

歴史を遡ると、イギリスの歴代王である、ウィリアム2世、リチャード1世、ジェームズ1世、ウィリアム3世らはバイセクシャルだったと伝えられているので、同性愛は今に始まったことではないし、それ自体が伝統でもある。マウントバッテン卿は、多様化した現代に合わせて全てをさらけ出し、自分らしい生き方をするべく第一歩を踏み出したのだ。

アメリカ人であるメーガン妃が英国王室のメンバーになったのも史上初だったが、王族の同性婚ももはやタブーではなくなった。英国王室は、急速に新しい時代へと歩み始めている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 9

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中