水責めだけじゃないCIAの拷問法
また報告書によると、アブ・ズベイダ容疑者は「棺桶サイズ」の箱に11日と2時間閉じ込められ、引き続き「幅52.5センチ、奥行きと高さ0.75メートルの窮屈な箱」に29時間閉じ込められた。
報告書はさらに、「上級の尋問官」の証言として、「『自分たちが確認できただけでも』17日間立ったまま壁に鎖で縛り付けられていた収容者がいた」と語っている。
顔に平手打ちをくらわせる、全裸にする、壁にぶつけるなどの手法が多くの場合、複数同時に用いられていた。数人の尋問者が容疑者を取り巻き、「母親を連れてきて、目の前で性的に虐待してやろうか」とすごむこともあったという。
報告書は「荒っぽい連行」と呼ばれていた手法も伝えている。「5人ほどの捜査官が収容者に向かって怒鳴り散らし、独房から引きずりだして、衣服を切り裂き、絶縁テープで縛って体の自由を奪い、フードを被せ、長い廊下を延々と引き回しながら、平手打ちやパンチをくらわせる」というものだ。
食事と水分を摂ることを拒否した容疑者には「直腸から」の水分と栄養補給が強制された。ある容疑者は「無理やり直腸からボトル2本分の栄養ドリンクを注入され、その後同じ日に『ランチ・トレー』と称して、ヒヨコマメとゴマのペースト、ソースを絡めたパスタ、ナッツ、干しぶどうを『ビューレ状』にしたものを直腸に注入された」という。
こうした尋問に耐えかねて、自殺を図る容疑者も続出した。報告書要旨の序文で、ダイアン・ファインスタイン上院議員はCIAのテロ容疑者の扱いを「アメリカの法律にも、国際条約の遵守義務にも、アメリカ人の価値観にも反する」として、厳しく糾弾している。