あの国がアメリカの人権侵害の実態を「暴露」
■「昨年、貧困層の数は4650万人に増加。ニューヨークでは市民の6人に1人、子供の約20%が飢餓状態にある」
国勢調査局の統計をそのまま使ったようだ。昨年9月の同局の発表によれば、実際に4650万人が貧困ライン以下で生活している。また市民団体「ニューヨーク市飢餓対策連合」によると、約20%の子供が家庭で満足な食事を与えられていない。
■「米政府は国民および外国人の動向すべてを監視している」
確かに、それで騒動になった。
■「一部の州で武器規制が緩和され殺人事件が増えた。今年は全米で銃犯罪が増加し、軍基地内でさえも同様だ。国連は4月10日に殺人事件の発生率はアメリカが世界最高だと発表した」
この主張は怪しい。銃関連の暴力について、信頼性の高い統計はない。確かに過去1年間で多くの銃犯罪があった気はするが、ピュー・リサーチセンターの調査では(11年が最新)、93年から50%近く減少している。ただし一般的に、人々はそれを実感していないともいう。
国連発表のくだりは大間違い。1位ホンジュラス、2位ベネズエラだ。ほかにも上位にアメリカ大陸諸国が並んではいるが。
■「アメリカの囚人数は世界最高の220万人」
国際刑務所研究センター(ロンドン)が報告したとおりの数字だ。どうせなら、1020万人といわれる世界全体の収容者の4分の1近い数字だと指摘すればよかったのに。
以上が「生き地獄」アメリカの現実だ。それでも北朝鮮に移住したいとは思わないが。
From GlobalPost.com特約
[2014年5月20日号掲載]