ディズニーの魔法が消えた日
ディズニー側と接触できた人もいる。自閉症児の家族を支援しているリサ・アッカーマンはディズニーの経営幹部2人と面会し、すべての障害者がディズニー・マジックを楽しめるように対策を考えてほしいと要望したと言う。
一番簡単な対策は従来の障害者用パスを復活することだという意見もある。「これまでの制度はとてもよかった。監視が甘かっただけだ」とマクレーンは言う。彼女は、保護者たちがわが子の障害を証明する書類を作成することも、以前の障害者用パスを写真付きに変えることも、喜んで受け入れるはずだと確信している。
何らかの改善措置がない限り、ディズニーの「魔法の王国」は最も熱心な一部のファンにとって「訪れることができない場所」になってしまう。「方針が変更されない限り、もう二度と行かないだろう」と、自閉症の13歳の娘を持つメリッサ・スタンダリングは言う。「娘の気持ちを思うと心が痛むけれど」
それでもテレンツィは希望を捨てていない。毎年恒例だったディズニーワールド訪問は来年こそ諦めるが、新制度を試してみるつもりではいる。
「私たちはディズニーを愛している。本当に。だからこそ、これだけ腹を立てているんだ」と、テレンツィは言う。「少なくとも過去10年、ディズニーは私たちにこう言ってくれた。『あなた方の人生は、ほかの人よりも少し困難だ。でもここでは違う。ここにいる間は、ほかの人よりも少し楽な人生を過ごしてほしい。楽しんで』と。障害者を持つ家族にとっては、その言葉がすべてだった
その愛を取り戻せる日は来るのだろうか。
[2013年12月10日号掲載]