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ハッカー「アメリカを売った男」の新たな一撃
G8のタイミングに合わせて首脳会談での盗聴の実態を暴露する一方、一般市民からの公開質問にも答えるスノーデンの戦い
逃亡者 香港では米政府に追われるスノーデンを支援する声が広がっている Bobby Yip-Reuters
米国家安全保障局(NSA)がネット上の膨大な個人情報を収集していたと告発した同局の元契約職員エドワード・スノーデンが、新たな波紋を呼び起こしている。
英国・北アイルランドでG8サミット(主要国首脳会議)が始まる前日の16日、英紙ガーディアンの電子版はスノーデンから入手した新情報を暴露。これによれば、09年にロンドンで20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれた際、イギリス政府が出席者の電話や電子メールを傍受していたという。
イギリス政府が沈黙を守るなか、翌17日にはぎくしゃくしたムードでG8がスタート。同日、スノーデンはさらなる動きに出た。同じくガーディアンの電子版上で、一般市民からの質問に答える場を設けたのだ。
質問は同紙のサイト上やツイッターで公募。その中から選ばれた十数個の問いに対し、同日の午前11時からおよそ2時間にわたって同サイト上で回答した。
告発の舞台に香港を選んだ理由
スノーデンが中国に米政府の極秘情報を提供していたのではないかという噂については完全否定。中国を目の敵にするお決まりのパターンであり、「米政府の職権乱用から目をそらさせるのが目的だ」と答えた。
「私が中国のスパイなら、なぜ北京に直行しなかったのか。そうすれば今頃、豪勢な暮らしを送っていたはずだ」
一方、NSAで働いていた当初、自分のデスクからどんな相手も盗聴できたと語ったことについては、同じ姿勢を変えなかった。
「米政府は私を投獄したり殺害しても、この一件を隠蔽することはできない」とも、スノーデンは別の質問で答えている。「真実は明らかになりつつある、もう誰も止められない」
アメリカ市民の自由を向上させるため、極秘情報をリークする場合のアドバイスを求められると、一言こう答えた。「この国は命をかけるだけの価値がある」
希望していた亡命先アイスランドに直行せず、香港へ渡った理由については、「途中で移動を阻止される恐れがあった。だから予約なしでチケットが入手できて、すぐに拘束されたりしない文化的土壌と法制度が整った場所を選ぶ必要があった」と答えた。
「そんな条件に合っていたのが香港だった。アイスランドだと告発を発表する前にアメリカへ引き渡され、投獄されるかもしれない。米政府ならやりかねない」
From GlobalPost.com特約