米消費復活、それも「支払いは現金で」
リボルビング残高減少のうち、貸倒償却と繰り上げ返済がそれぞれ25%を占めるとして、残りの減少分は貸し出し基準の厳格化と借り手側の需要が下がったことが原因だと、ザンディはみている。要するにクレジットの利用が減り、貸し出し基準が厳しくなることと、消費の増大は両立する。実際、リボルビングの利用額が減っても小売の売り上げは大幅に伸びている。
米国勢調査局による今年5月の小売売上高まとめによると、売上高は昨年5月に比べて6.9%増え、「今年3月から5月の総売上高は昨年同時期より8.1%増えている」。つまり今の消費経済では、同じ1ドルの売り上げを得るのに、利率の高いリボルビングに頼る必要性が昨年より低くなっている。
アメリカの借り手も貸し手もある程度、債務超過への反省や、個人の金融アドバイザー、金融評論家の忠告などを受け入れている。不用意な信用拡張で自らを崩壊させた銀行は、金を貸すことに慎重になっている。消費者はクレジットカードを切り刻んだわけではないだろうが、その使用頻度は減り、早めに返済し、滞納もしていない。一方で、消費者はインフレ率を遥かに越えるペースで消費を増やしている。
一体、どこが悪いニュースなのか教えてほしい。