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底値のウッズ株は今が「買い」か

2009年12月18日(金)17時21分
セーラ・ボール

 奇妙なことに、今回のスキャンダルではウッズ自身よりウッズ以外の人々の方が打撃を受ける。ウォール街と同じことだ。(昨年破綻したリーマン・ブラザースCEOの)リチャード・ファルドは大金持ちだが、カンザス州の老婦人はそうではない。

----自分がPGAツアーの主催者ならどうやって「止血」しようとするか。

 PGAの主催者は以前、膝の故障によるウッズの欠場を経験した。だが当時は復帰に有頂天になるばかりで将来への備えを怠った。おそらく彼らは(1つの大会の)スポンサー収入を維持するため大会全体の数を減らすだろう。数を減らすことで残った大会の価値を上げ、ツアー全体を他のプレーヤーがもっと参加しやすくする。

 ウッズにとって今回の騒動で最悪だったのは、騒ぎがゴルフシーズンの真っ最中かシーズン直前に起きなかったことだ。騒動が持ち上がったのはシーズン最後で、今後6カ月間は重要なトーナメントが行われない。そのため、ウッズはスキャンダルではなくゴルフで注目を集めることができずにいる。ゴルファーとしてのタイガー・ウッズを取り戻せていない。

----ウッズが復帰しても以前のようなスポンサー収入を得ることはできないのだろうか。復帰はかなり注目を集めると思うが。

 大きな注目を集めるというのはその通り。だが注目はさまざまな形で表れる。テレビが高視聴率を獲得し、メジャー大会やその他の大会にスポンサーがつくことが話題になるかもしれないが、一方でウッズのネームバリューがナンバーワンの座から1Aに下がることも注目されるだろう。

 それでも、ウッズの復帰に関心が高まるのは確実だ。アメリカ人が一番好きなのは、誰かがどん底に落ち、そしてそこから這い上がる姿を見ることだから。

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