中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先史時代の支配者の実像とは?
墓は過去にひどく荒らされた形跡があると、考古学者らは指摘する。「墓の主の遺骨は持ち去られ、多くの重要な遺物も盗まれていた」と、朱は指摘する。「木製の棺に納められていた遺骨のほとんどがなくなっており、爪先の骨がわずかに残るだけだった。小形のヒスイの装飾品が棺の中にも外にも散乱し、儀式用の石の刀剣は故意に壊されていた」
2003年以降、河南省文物考古研究院や首都師範大学などの専門家らの合同チームは、王荘遺跡の発掘作業を進めてきた。
24年は見事な陶器や石器、ヒスイ製の遺物など無数の埋葬品が出土。埋葬品の豊かさは墓の大きさと密接に結び付いており、当時既に明確な社会的階級と階層が出現していたことを示している。
王荘遺跡の出土品からは、ここが先史時代の文化のるつぼで、多様な文化が交差し、影響し合っていたことがうかがえる。李によれば「古代の住民は明らかに、長江流域の文化的要素に加え、東部・中部の影響も受けていた」。
李は王荘遺跡は中国と世界の歴史にとって重要な意味を持つと指摘する。「遺跡での発見は中国文明の多様性を実証し、初期の交流を証明するものだ。先史時代の地域間の文化的融合を研究するカギとなるだろう」

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