ツイッターからXへ...もはや悲しい抜け殻に...イーロン・マスクのせいで「劣化」したこれだけの機能や要素
Everything Musk Broke in Twitter
■広告体験
最悪だ。直接の原因は、大口広告主である比較的高級なブランドが大量撤退したことだろう。今やXでは、外国語の広告や「どう見ても詐欺」な商品の広告が珍しくない。広告ラベルも判別しづらくなり、広告と表示されていない場合もある。
■ニュース消費
ソーシャルメディアの中でも輪をかけて悲惨な状態だ。誰でも月額8ドルで認証バッジが手に入るせいで、個人アカウントの信頼性を判断する(確度は低いが)唯一の目印が消えてしまった。ニュース記事へのリンク付き投稿から見出しを削除する仕様になったため、でっち上げも簡単にできる。
この新たなシステムの欠陥を露呈させたのが、10月に勃発したイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突だ。数十万人がフォローする認証バッジ付きの情報収集アカウントは多々あるが、それらが真の意味でのニュース提供や報道をすることはなく、マスク流に従わない記者たちの声をかき消してしまうだけだ。
■引用ツイート
コメント付きのリツイートは問題投稿への批判を知るのに便利だったが、見つけにくくなってしまった。Xのウェブアプリでは、投稿をリツイート・引用したアカウントが表示されなくなり、投稿の背景や反応を幅広く把握するのが難しい。
引用ツイートの封じ込めは、ネット上のたたきを減らす効果があるかもしれない。だが同時に、「クソツイート」が批判されない環境づくりにも役立っている。
■レシオ
返信数が「いいね」やリツイートを上回る状態を指すレシオは、批判が多いことの証し。当然ながら、これも死滅状態だ。
■インセンティブ付与
もうめちゃくちゃだ。マスクは、基準を満たすユーザーを対象とした広告収益分配プログラムを開始。インプレッション(投稿表示回数)を増やせば儲かるため、炎上目的や偽情報の投稿をする動機になっている。
実態調査のため筆者も登録してみたところ、月末に支払われた金額は20ドル。分配金の仕組みは全く説明されていない。人気狙いで嘘をつけば、もっと稼げるのだろうか?
■マスクの世界
本人のアカウントをブロックしても、マスクを無視するのは今やほぼ無理。Xで話題になるのはマスクのことばかりだ。ツイッター買収に投じた資金を回収できる見込みはないが、「永遠の主人公」になったマスクは感情的には報われそうだ。
■ちょっと「マーク・ザッカーバーグ派」に
Xが生んだもう1つの悲しい結末だ。メタがツイッターに対抗して始めたスレッズは、当初こそ大きな話題になったものの、以降は低迷状態。つい、頑張ってほしいと思ってしまう。
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