サステナブルな日常へ、給水アプリmymizuで意識が変わる
こうして企業や地方自治体、教育機関と一緒に、マイボトルの利用を促しペットボトルを削減するキャンペーンをいくつも実施してきた。水に関係する企業だけでなく、サステナブルな商品をつくりたい会社はたくさんあるという手ごたえを感じているそうだ。
「サステナブルな商品を売るためには、環境問題に多くの人々が関心をもつ社会をつくらなければならない。そのためには企業や行政がノウハウやネットワークを持ち寄って手をつなぐことが必要です。mymizuがそのきっかけとなり、サステナブルが当たり前のことになれば嬉しいですね」
東京の水には強みがある
またマクティア氏は、水に対する個人の感覚の違いにも注目している。
「味の好みは人それぞれですし、年代によって水に対する意識の違いもあります。高齢の方は『ペットボトル入りの水を買うなんてもったいない』と言うし、若者は環境意識の高さや、経済的な面からペットボトル飲料を買わない人が多い。けれど、そんな若者も社会人になると手軽さからペットボトル飲料を買ってしまうのです。水道水の味が好みではないという人には、浄水器の使用を薦めています。家庭の調理に2リットルのペットボトル入りの水を使うのをまずやめましょうと」
東京の水道水に関していえば、水質検査の基準が厳しく、安全であるという強みがある。さらにマクティア氏は世界的に見ても東京の水道水はおいしいと感じるという。東京の水のよさが伝わり、給水スポットが増えていけばマイボトルの利用者も増えていくだろう。
mymizuはペットボトル削減のほか、災害などで物流がシャットダウンした時に、飲み水を探す際にも役立つ可能性がある。さらにmymizuを通して「環境を守りたい」という同じ目標をもつ人々がつながり、コミュニティを形成するという効果もあるとマクティア氏は言う。最も身近な飲料であり、私たちの生活に欠かせない水について考えることは、環境を変えていく一歩になるのだ。
mymizu www.mymizu.co
取材・文/久保寺潤子 写真提供/mymizu