最新記事

アプリ

サステナブルな日常へ、給水アプリmymizuで意識が変わる

2022年7月1日(金)11時30分
※TOKYO UPDATESより転載

こうして企業や地方自治体、教育機関と一緒に、マイボトルの利用を促しペットボトルを削減するキャンペーンをいくつも実施してきた。水に関係する企業だけでなく、サステナブルな商品をつくりたい会社はたくさんあるという手ごたえを感じているそうだ。

「サステナブルな商品を売るためには、環境問題に多くの人々が関心をもつ社会をつくらなければならない。そのためには企業や行政がノウハウやネットワークを持ち寄って手をつなぐことが必要です。mymizuがそのきっかけとなり、サステナブルが当たり前のことになれば嬉しいですね」

tokyoeye220701_4.jpg

海岸清掃を行うイベント、mymizuビーチクリーンも実施。団体や企業と共同開催することもある。

東京の水には強みがある

またマクティア氏は、水に対する個人の感覚の違いにも注目している。

「味の好みは人それぞれですし、年代によって水に対する意識の違いもあります。高齢の方は『ペットボトル入りの水を買うなんてもったいない』と言うし、若者は環境意識の高さや、経済的な面からペットボトル飲料を買わない人が多い。けれど、そんな若者も社会人になると手軽さからペットボトル飲料を買ってしまうのです。水道水の味が好みではないという人には、浄水器の使用を薦めています。家庭の調理に2リットルのペットボトル入りの水を使うのをまずやめましょうと」

東京の水道水に関していえば、水質検査の基準が厳しく、安全であるという強みがある。さらにマクティア氏は世界的に見ても東京の水道水はおいしいと感じるという。東京の水のよさが伝わり、給水スポットが増えていけばマイボトルの利用者も増えていくだろう。

mymizuはペットボトル削減のほか、災害などで物流がシャットダウンした時に、飲み水を探す際にも役立つ可能性がある。さらにmymizuを通して「環境を守りたい」という同じ目標をもつ人々がつながり、コミュニティを形成するという効果もあるとマクティア氏は言う。最も身近な飲料であり、私たちの生活に欠かせない水について考えることは、環境を変えていく一歩になるのだ。

mymizu www.mymizu.co

取材・文/久保寺潤子 写真提供/mymizu

※当記事は「TOKYO UPDATES」からの転載記事です。
logo_tokyoupdates.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4

ビジネス

ECB、12月にも利下げ余地 段階的な緩和必要=キ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中