10~20代はネットで調べるとき「ググらない」 その理由とは?
「時間獲得競争」へ向かう世界の動き
スーパーマーケットも時短の時代だ。今アメリカでは、「カーブサイド・ピックアップ」と呼ばれるサービスが、急速に広がっている。
カーブサイド・ピックアップとは、インターネットで注文した商品を店舗で受け取るというものだ。これまで買い物客がスーパーで買い物をする際には、目当ての商品を見つけるために広い店内を歩き回らなければならなかったが、カーブサイド・ピックアップではその必要はない。商品探しは店舗スタッフが行ってくれる。
具体的には、買い物客は車でスーパーまで行き、ピックアップ専用の駐車場に車を停めて、商品を受け取るだけ。その際に、車から降りる必要もない。店舗スタッフが商品をトランクに積んでくれるからだ。感覚としてはドライブスルーに近いかもしれない。
アメリカの大手スーパーマーケットは、このカーブサイド・ピックアップの導入に積極的だ。小売業最大手のウォルマートは、2019年末時点で、3000店舗以上で食料品のピックアップサービスを展開している。競合のクローガー、ターゲット、ホールフーズも、ピックアップ店舗の拡大を進めており、アメリカの人々にとってはピックアップという買い物文化がとても身近なものになりつつあるのだ。
大規模なスーパーでは、買い物に20分から30分、あるいはそれ以上かかることも珍しくない。店舗が大きいほど店内を回るのに時間がかかるし、レジが混んでいればストレスも高まってしまう。ある調査によると、人々の買い物時間の80%は移動時間であるとも言われている。
一方、カーブサイド・ピックアップなら、前日夜や昼休みにネットで注文を済ませておけば、買い物にかかる時間が丸ごと短縮される。スーパーでの買い物の時間は、夕食前など忙しい時間帯であることが多いので、その時間が短縮され、ストレスも軽減されるメリットは大きいだろう。
ウォルマートは「ほかのスーパーよりも短い時間で買い物ができる」という価値を消費者に提供している。まさにネットを活用し、今まで当たり前だった買い物にかかる時間を短縮した好事例と言える。
中国の「ラッキンコーヒー」がスタバを超えた日
世界的コーヒーチェーンといえば、誰もがスターバックスコーヒーを思い浮かべるところだろうが、そのスターバックスを脅かす存在が現れた。コーヒーの消費量が増えている中国では、スターバックスではなく、新興勢力のラッキンコーヒー(luckin coffee=瑞幸珈琲)を選ぶ消費者が増えているのだ。
ラッキンコーヒーは、2018年1月に北京に1号店をオープンした後、爆発的なスピードで店舗数を増やしている。1号店のオープンからわずか1年で店舗数は2000を超え、2019年末時点では4507店舗に達した。これは1999年に同国に進出したスターバックスの中国国内店舗数を上回っている。