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ネットYouTubeもYouTube Kidsも、未成年者を守るのはこんなに難しい
YOUTUBE TRIES TO CLEAN UP MORE
子供たちを守るためのYouTubeの取り組みは苦戦を強いられている BEAWIHARTA-REUTERS
<YouTubeが大人の同伴なしでライブ配信できなくする方針を明らかにしたが、小児性愛者などの不適切な言動から子供を守る取り組みは、モグラたたきの様相を呈している>
グーグル傘下の無料動画投稿サイト、YouTubeは6月3日(米国時間)付のブログ投稿でポリシーの一部変更を発表。「幼い未成年者」(13歳未満の子供)が「食い物にされるリスクを抑える」ため、大人の同伴なしでライブ配信できなくする方針を明らかにした。
同社は既に13歳未満の子供が自分のアカウントを持つことを禁じているが、新たに人工知能(AI)による分類プログラムを使って不適切なコンテンツを特定。「危険な状況に置かれている未成年者」の動画をむやみに推奨しないようにする。
同日報道されたハーバード大学の研究によれば、YouTubeのおすすめ機能は裸に近い子供たちの動画を視聴した人に似たような動画を次々と紹介。結果的に小児性愛者にその手の動画を提供する仕組みが出来上がってしまっている。
ネット上の不適切な言動から幼いユーザーを守るのは難しい。YouTubeほどの規模になればなおさらだ。
2015年2月に導入した13歳未満向けアプリ「YouTubeKids」は保護者が許可した動画のみ視聴できる制限モード、教育的コンテンツ、投稿・検索可能な動画の制限が好評だったが、やがて陰謀論的なコンテンツなどが蔓延し「バブル」ははじけた。
2017年11月、子供に人気のキャラクターを悪用した動画を投稿して収入を得る「エルサゲート」が問題になると、YouTubeは規制を強化し、違反したチャンネルを停止し動画を削除。今年2月には未成年者中心の動画に小児性愛者のコメントが集中しているとして大手企業が相次いで広告を引き揚げる事態に。これを受けてYouTubeは未成年者動画のコメント機能を無効にした。
子供向けコンテンツだけではない。YouTubeは5日、ヘイトスピーチや過激な動画を大量に削除、「信頼できるコンテンツを増やす一方、際どいコンテンツの拡散を減らして信頼できるクリエーターが儲かるようにする」べくプラットフォームを微調整すると発表した。
ユーザー20億人を擁する巨大プラットフォームのモグラたたきは当分続きそうだ。
©2019 The Slate Group
【参考記事】少女がプールで遊ぶだけの動画が40万回再生──YouTubeの危うい「おすすめ」機能
<2019年6月18日号掲載>
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