インド13億人の「生体認証」国民IDに、知られざる日本企業の貢献
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社会の効率・公平にも寄与、「世界に自慢できるシステムだ」
野心的なプロジェクトであるアドハーは、冒頭のケースのように、現在までにインド国民に直接的に多大な恩恵を与えている。
インドの経済都市ムンバイで事務の仕事をしているサンジェイ・チャーバン(46)は、アドハーをIDとして使えるようになって生活が一変した。
「食料の配給ですら、いろいろな書類を出しても、配給の審査が通る人とそうでない人がいて、その違いすら分かりませんでした。たくさんの書類を求められ、毎回手数料を取られる。文字が読めない知り合いなどは、中間業者から補助金などを搾取されていたのです」と、チャーバンは語る。そんなことから、役所でも揉め事は絶えなかったが、アドハーによって不正や搾取は「激減した」と実感しているという。
同じくムンバイでフィットネスジムに勤めるプラノブ・マンドルカー(31)も、アドハーを評価している1人だ。「インドにはこれまでこうした、すべての国民のためのIDシステムは存在しなかった。やっとインドが国際標準の政策を進めてくれている。世界に自慢できるシステムだ。社会に大きな変化をもたらすはずだと期待しているよ」と、マンドルカーは言う。
そんな評価の一方で、国民監視やプライバシー侵害につながるのではないかと懸念する声も出ている。2018年には、インド最高裁でもこの問題が争われた。だが結局、9月にアドハーの正当性を支持する判決が出され、UIDAIの初代総裁でアドハー推進の責任者だったIT起業家のナンダン・ニレカニはこうツイートした。
「アドハーは大成功している......最高裁は、アドハーを合憲と認めただけでなく、明白にアドハーの創立の理念に妥当性を与えた。アドハーはインドという国家が目指す開発目標にとって、重要で唯一無二のIDプロジェクトなのです」
そんなインドの未来を背負ったアドハーを、NECが支えているのである。
もともと世界各地の犯罪捜査や出入国管理などで「安全」「安心」に貢献してきたNECの生体認証技術は、インドでは社会の「効率」「公平」にも寄与している。NECが誇る生体認証という最先端のテクノロジーには、人々の暮らしを変える力があるのだ。