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エアライン大革命空港のセキュリティーチェックの行列、これでなくなります
COURTESY OF ANALOGIC
<安全性が向上するだけでなく、長蛇の列がなくなって利用者のイライラも解消。そんな新型の3D装置が全米各地の空港に導入される。本誌9/26発売号「エアライン大革命」特集より>
※本誌10/2号(9/26発売)は「エアライン大革命」特集。超長距離フライトから空中タクシーまで――夢が現実になる日はすぐそこまで迫っている。空の旅の最新事情と未来像に迫った。
空港でのテロ対策には厳格なセキュリティーチェックが欠かせないが、検査場の長蛇の列はつらいもの。米運輸保安局(TSA)が導入を進める最新装置が普及すれば、安全性が向上するだけでなく、手荷物検査の時間が短くなって利用者のイライラも解消されるかもしれない。
TSAは今年7月、医療用のコンピューター断層撮影(CT)技術を応用して荷物を全方位からスキャンする新型のX線検査装置を、全米各地の空港に導入すると発表した。
従来の2次元画像とは異なり、高精度の3D立体画像が表示されるため、荷物に隠された爆発物や武器を検知しやすくなる。乗客がペットボトルなどの液体やノートパソコンをいちいち手荷物から取り出す手間も省ける可能性がある。「CTスキャン技術を活用することによって、空港の保安検査場で脅威を検知する能力が大幅に向上する」と、TSAのデービッド・ペコスキー長官は言う。
価格は1台が約30万ドル。ボストンやフェニックス(アリゾナ州)など一部の国際空港では既に導入が始まっており、年内に全米の15カ所の空港に計40台、19年度末までには145台以上が設置される見込みだ。加えて、連邦政府の施設にも16台が導入される予定だという。
アメリカの空港では今年に入って、保安検査場を通過する旅行者の数が記録的な水準に達しており、検査場での待ち時間の長さが大きな問題になっていた。TSAによれば、6月29日に全米の空港で検査場を通過した乗客と乗務員の数は、史上2番目に多い約268万人に達したという(1位は04年の感謝祭直後の日曜で271万人)。
TSAは数年前に、乗客の衣服の下まで透視できる検査装置を導入して大バッシングを受けたことがある。今年8月にも、全米150以上の小規模空港で保安検査を廃止することを検討していると報じられ、批判を浴びた(TSAは予算削減案の1つとして挙がっただけだと釈明している)。
安心どころか不安ばかりをまき散らしてきたTSAの汚名を、最新鋭の3D装置が吹き飛ばしてくれるといいのだが。
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