投資家が夢見る、大化けする銘柄「テンバガー」は意外と身近
テンバガーを見つけたら
夢のような時間は案外短い
テンバガーの株価チャートには、特徴的なパターンがあります。それは、次のような形です。
低位で横ばいに推移していた株価が → サプライズによって投資資金が流入 → 出来高急増を伴う急激な株価上昇 → 利益確定の売り → 急激な下落
たとえば、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」の大ヒットによって、低位横ばいで推移していた株価が急騰しました。このとき、出来高急増を伴って株価が大幅に上昇していることがチャートから見て取れます。
しかしその後、増益率の低下や次のヒット作が見当たらないことから、株価は急落します。このように急激に上昇した株というのは、成長性の鈍化や、投資家の関心が次のテーマに移ることで、急激に下落する傾向にあるのです。
せっかく見つけたテンバガーも、利益確定をしないと意味がありません。「もう少し持っていればもっと上昇するかも」などと売り時を逃さないよう、株価動向を注意深く見守ることが肝要です。
偶然もなければ、絶対もない
ピーター・リンチは著書の中で、「11銘柄のうち1銘柄でも当たれば(テンバガーになれば)、たとえ残り10銘柄に損をするものが出ても、全体として投資に成功したことになる公算が大きい」と述べています。
テンバガーは偶発的に生まれるものではありません。ここで紹介した「テンバガーになりやすい傾向」を持った銘柄を見つけたら、少額ずつ投資してみるのも良いでしょう。ただし、すべての傾向に当てはまるからといって"必ず"テンバガーになるわけではない、という点をお忘れなく。
<投資家の夢といわれる「テンバガー」も、実は意外なほど数が多く、しかも身近なところに存在しています。重要なのは、ひとつの銘柄に大きく"賭ける"ことではなく、伝説のファンド・マネージャーが言うように「1勝10敗」でも全体として利益が出るようにすることです>
※当記事は2017年9月15日にアップした記事の再掲載です。
[筆者]
岡田禎子[おかだ・さちこ]
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆、セミナーなどで活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)
ファイナンシャル・プランナー(CFP ®)