最新記事
自動車

EV販売の競争激化 中国「BYD」が、売上高で初めて米「テスラ」を抜く...中国国内ではシェア低下も

2024年10月31日(木)14時53分
中国BYDがEV販売の売上高で初めてテスラを逆転

10月30日、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が発表した第3・四半期決算は、純利益が前年同期比11.5%増の116億元(約16億3000万ドル)だった。写真はBYDの車両。昨年4月、英ファーンボローで撮影(2024年 ロイター/Nick Carey)

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が30日発表した第3・四半期決算は、純利益が前年同期比11.5%増の116億元(約16億3000万ドル)だった。政府の買い替え促進策に支援され、販売が好調を維持した。1─9月では18.1%増の252億元。

第3・四半期の売上高は24%増の2011億元(約282億4000万ドル)と、米同業テスラ(252億ドル)を初めて上回った。ただ、世界のEV販売台数ではテスラがBYDを引き続き上回った。

BYDは今年の中国のEVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)の販売総数で、3分の1を上回るシェアを獲得している。月間販売台数は9月に過去最高を記録し、四半期ベースでも7─9月期に最高記録を更新した。

環境への悪影響が少ない新車への買い替えに対する政府補助金は拡充されており、BYDやテスラなどの追い風になっている。業界団体の統計によると、9月の新車販売台数は6カ月ぶりに増加に転じた。

BYDは売れ筋の車種の大幅な値引きを成長の原動力としてきたが、第3・四半期の好調は主にPHV販売台数の力強い伸びが主因だった。新世代の技術による燃費改善が寄与し、PHV販売台数は前年同期比75.6%増の68万5830台と急伸した。

一方、ロイターが独自に算出したBYDのEV販売台数は2.7%増の44万3426台と伸びが鈍化しており、EV分野で中国の競合他社にシェアを奪われつつある状況が示された。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


自動車
DEFENDERとの旅はついに沖縄へ! 山陽・山陰、東九州の歴史文化と大自然、そして沖縄の美しい海を探訪するロングトリップ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中