口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
Plastics in Our Brains
OMIでは、法医解剖などで採取した組織を7年間保管することが義務付けられている。従って研究当時の最も古いサンプルは2016年のものだった。そこで研究チームは、16年のサンプルと24年の最新サンプルを比較することにした。
【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
まず、サンプルの脳組織を溶かして遠心分離機にかけ、プラスチック微粒子を分離した上で、質量分析計で組成を調べた。その結果見つかったプラスチックは12種類。最も多かったのは、ペットボトルなどに使われるポリエチレンだった。
マイクロプラスチックは、ニューロンを包み込んで絶縁体の役割を果たす鞘(髄鞘)の脂肪細胞に集まる傾向があった。脳のマイクロプラスチック濃度が他の臓器よりも高いのは、そのせいかもしれないと、研究チームは指摘する。
透過型電子顕微鏡で、マイクロプラスチックの濃度が最も高い組織を調べてみると、直径わずか200ナノメートル(0.2マイクロメートル)と極小の鋭利なプラスチック片が集まったクラスターが見つかったという。
200ナノメートルということは、ウイルスと同じくらいの大きさだ。だからこのレベルのマイクロプラスチックは、中枢神経系を毒素から守る血液脳関門も擦り抜けることができる。
ただし今回の研究では、マイクロプラスチックが脳に達するまでのルートは明らかになっていない。