最新記事
健康

牛肉は「加工しなければ」心臓に優しく、健康的な食材【最新研究】

Beef Is Healthy if Unprocessed, Study Finds

2024年12月28日(土)09時35分
ハティ・ウィルモス
牛肉

tomwieden-pixabay

<「赤身肉は心臓に悪い」は、あらゆる種類の赤身肉を一括りにしていた研究方法によるもの。むしろ牛肉は心臓に優しい食材として楽しめる>

毎日1~2食分の未加工の牛肉は、心臓に優しい食事の一部となりうることが最新の栄養研究の分析結果から判明した。

研究によると、未加工の牛肉を食べることが心臓病のリスク要因を増加させないことが分かり、赤身肉が心臓病に関連しているという従来の見解に異議を唱えている。


 

既存の研究では、赤身肉の健康への影響を測定する際に、ラムチョップからホットドッグまで、あらゆる種類の赤身肉を一括りにして評価し、そこから心臓病などが発症する可能性が高いと結論づけていた。

「赤身肉のカテゴリーは幅広いため、すべての赤肉を一括りにした研究方法では、過度に一般化された結果が導き出される可能性があります」と、本研究の共同筆頭執筆者でインディアナ大学公衆衛生学部のケビン・C・マキ特任教授は述べる。

本研究では栄養研究の中でも最高水準とされる20のランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)のデータを分析し、牛肉を多く摂取した人の血液に何が起きたかを具体的に調査している。そのうえでマキ特任教授は次のように述べる。

「結果として、牛肉の摂取がこれまで言われていたような心血管疾患のリスク要因に悪影響を与えないことが概して示されました」

具体的には、未加工の牛肉を摂取しても血圧や「善玉コレステロール」として知られるHDLコレステロール(高比重リポ蛋白/high-density lipoprotein:HDL:)や中性脂肪など、心臓病のリスクに関係する血液中の脂質には影響を与えないことがわかった。

牛肉にはコレステロールを上昇させる脂肪が含まれているが、コレステロール値を低下させる脂肪や中性脂肪の量がそれを上回るからだ。

農業
日本の技術で世界の干ばつ解決へ...ナガセヴィータの研究者に聞く「糖」の意外な活用法
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

USスチール生産能力削減に米政府の拒否権、日鉄が提

ワールド

プーチン大統領「自信を持って前進」、新年演説で団結

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、金利差が背景 円対ドルで4

ビジネス

米国株式市場=続落、歴史的な強気相場締めくくる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長「日本の音楽の強みは『個性』。そこを僕らも大切にしたい」
  • 2
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリスマストイが「誇り高く立っている」と話題
  • 3
    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「王妃になるために生まれた」
  • 4
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 5
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 6
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 7
    スターバックスのレシートが示す現実...たった3年で…
  • 8
    「こんな物が危険なの?」運転中に胸ポケットに入れ…
  • 9
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 10
    ロシア、最後の欧州向け天然ガス供給...ウクライナが…
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリスマストイが「誇り高く立っている」と話題
  • 4
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 7
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 8
    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…
  • 9
    JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長「日本の音楽の強…
  • 10
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中