インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
Ultra-Processed Foods Linked to Early Death, Mental Disorders
「簡単便利」の裏側に潜む健康リスク、あなたは知っていますか? Fernando Andrade-Unsplash
<即席麺や冷凍食品に潜む危険。不安症や心疾患リスクが増加か>
レンジでチンするだけ。お湯を注いで3分待つだけ。そんな「超」の付く加工食品に一定の健康リスクが伴うことは誰もがうすうす感じていたが、そうしたリスクの詳細が統計的な手法で解明されたという。膨大な数の論文のメタ分析をさらに分析した結果で、医学誌BMJ(英国医師会報)に発表されたものだ。
ちなみに、超加工食品には常温保存のスナック菓子や即席麵、炭酸飲料、冷凍パスタなどの調理済み食品が含まれる。共通するのは、各種の保存料や乳化剤、甘味料、着色料などを使っている点だ。
BMJに載った論文の筆頭著者メリッサ・レーン(豪ディーキン大学研究員)は本誌に、「超加工食品には概して砂糖や油脂、塩が加えられており、一方で必須ビタミンや食物繊維は不足している」と語り、「乳化剤などの添加物や(油で揚げるなどの)高温調理によって私たちの健康が脅かされている恐れもある」と付け加えた。
レーンらの研究は、過去14年間に発表された論文にメタ分析を施した45件の研究をさらに統計的に解析したもので、1000万人弱の被験者の食生活データが含まれている。