「お世話になっております」...毎度使っていませんか? センスがいい人の心の距離を縮める言葉の極意
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<「お先にどうぞ」に何て返してますか? 相手としっかり向き合い「言葉を紡ぐ」心の余裕と習慣づけの4つの具体的方法>
「センスがいい」と思われる人はどんな人か。
作家の有川真由美さんは「私が約50カ国を旅したり、衣料品店店長、着物着付け講師、フリー情報誌編集などさまざまな仕事をしたりするなかで、センスのある人は『その人らしさ』というスタイルが見えやすく、自分の美学、世界観が確立していると感じた」という。
著書『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)より、4つを紹介する――。
【「お先にどうぞ」のすごい効力】
スーパーマーケットのレジで、卵のパックだけを持って並んでいたら、前にいたご婦人が「私はたくさんあるから、お先にどうぞ」と譲ってくれました。そんなとき、大げさなようですが、「世の中、捨てたものではない」という気持ちになるもの。
また、先日はエレベーターで、男子高校生が「お先にどうぞ」とにっこり。その日は雨で服も濡れて、気が急いていたので、まわりを気遣う余裕のなかった自分を反省。私も「お先にどうぞ」の心を忘れずにいたいと思ったことでした。
「お先にどうぞ」は、その人の"美学"ではないかと思うのです。
さらりと譲ることで、ゴタゴタした状況が、すっきりとすることは多いのです。
少しだけ譲ることで、その人の品格はぐんとアップします。
【「すみません」より「ありがとう」がスマート】
「お先にどうぞ」の対局にあるのは、「われ先に」。電車やバスで空席めがけて猛ダッシュしたり、バーゲンで商品を取り合ったりする姿は、自分のことしか考えられない気持ちが丸出しで、はたから見て恥ずかしいとさえ感じます。せっかく素敵なファッションをしていても台無しです。
電車やバスで重い荷物を持っている人、立つのがしんどそうな高齢者に席を譲ったとしても、立っているのはせいぜい数十分。「お腹を引き締めたかったから、ちょうどいい機会」と痩せ我慢をするのもいいではありませんか。
少しだけ痩せ我慢することで、心の余裕も生まれてくるものです。
ただし、痩せ我慢は「すっきり気持ちがいい」と感じるさじ加減が大事。自己犠牲になるほど我慢してしまったら、わだかまりが残り、本末転倒です。
また「お先にどうぞ」と譲ってもらったら、「すみません」ではなく、「ありがとう」と気持ちよく甘えるのも礼儀。譲ったり、譲られたりで、スマートな関係、スマートな社会になっていくのです。