日常を変える「テクノロジーの力」 スマホとスマートウォッチがもたらす健康管理革命

BE “SMART” AND STAY HEALTHY

2024年7月18日(木)10時49分
西田 宗千佳(ITジャーナリスト)

newsweekjp_20240717044300.jpg

ASIANDELIGHT/SHUTTERSTOCK

YouTubeに動画がたくさん公開されているのでそれを見ながら......というのも手軽ではあるが、アプリもチェックしたい。

「からだセイバー」は、不調を感じる体の部位に合わせておすすめのストレッチを提示し、やり方を教えてくれる。ネットやYouTubeでいちいち検索しなくても確認できるのが利点で、しかも無料で使える。


最近は「睡眠改善アプリ」も増えている。

「スリープ・サイクル」はスマホを枕元に置いておくと、睡眠中のいびきや体の動きに伴った振動からその人の睡眠情報を把握し、「より良い睡眠」に近づけることを目指している。ただこれも万歩計と同様に、数字などから管理し続けるには根気・やる気の両方が必要になる。

そこで、位置情報ゲームと同じようにゲーム的手法を使うのが「ポケモンスリープ」。スマホを枕元に置いて寝ると、睡眠の時間や寝返りといった動作を計測して記録し、睡眠の質を分析してくれる。

良質な睡眠を取るほど、希少なポケモンに出会えるため、朝起きるのが楽しくなるような仕掛けが施されている。

写真を撮るだけで食事を管理

こうした健康維持に生かせるアプリには有料のタイプもあるが、前述のものは無料で使い始められる。一度使ってみて有用だと考えれば、追加機能などに課金してより便利に使おう。「スマホといえばメールやLINE」と思っている人は、まず使ってみて、自らの生活習慣の変化につなげてほしい。

スマホを使った健康維持という意味では、食事管理のアプリもある。

食事管理アプリとは、食事内容の記録、そこからカロリーや摂取栄養素を判断し、アドバイスをしてくれるものだ。ダイエットを目的に開発されたものがほとんどだが、栄養素の不足などを指摘してくれるので、ダイエット以外の用途でも役に立つ。

この種のアプリの課題は、食事の内容を正確に記録し続けるのが大変という点にある。そこで、写真からAI(人工知能)が食事の内容を判断するアプリがおすすめだ。食事の写真をアプリから撮り続けるだけでいいので、管理が非常に簡単になる。

この種のアプリとしては「カロミル」の評価が高い。写真を撮るだけでAIが栄養素を解析し、体重計や血圧計を撮影すれば自動で記録してくれる上、3カ月後の体重を予測してくれる。

歩数や睡眠の記録とは異なり、データ解析やそこからのアドバイスといった要素が必要になるため、基本的な機能以外は有料会員制になっている場合も多く、年間で3000~5000円ほどの費用が必要になる。

ただ、食事の分析や改善策の提案といった機能は便利なので、本格的に食事管理をするなら有料会員になって利用したほうがいいだろう。

これは医師から聞いた話だが、日常生活で食べているものを撮影しておくと、医師に病状の相談をするときの参考情報にして判断できるので役立つという。これも簡単ではあるが、食事管理と言える。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中