最新記事

血糖値を下げ、腸内フローラを整え、老化を防ぐ健康食品「ヨーグルト」 唯一気をつけるべきこととは?

2023年6月5日(月)19時25分
笹井 恵里子(ジャーナリスト) *PRESIDENT Onlineからの転載
ヨーグルトを食べる女性

*写真はイメージです Makistock - shutterstock

悪玉物質「AGE」の発生を抑える効果がある

前回の野菜ジュース記事で老化を促進する悪玉物質「AGE」が発生する危険性を指摘した。体内にAGEが蓄積されると老化が進み、病を発症しやすくなる。ヨーグルトにはそれを食い止める効果がある。今回は、その効果を高める食べ方と注意点を紹介する。

前回のおさらいになるが、AGEは「タンパク質と糖」が結びつき、劣化(糖化)する現象で発生する。食品ではきつね色が糖化の証し。カステラやプリンなどの茶色の部分、格子状のワッフルの焼き目、どら焼きや今川焼きの皮など、おいしいところにはAGEが多く含まれている。そういったAGEを含んだ食品を多量に摂取することでも体に悪影響をおよぼすが、食品だけでなく体内でも血糖値が急上昇すれば糖化が進み、AGEが発生する。

昭和大学医学部の山岸昌一教授がこう説明する。

「私たちの体内でも同じように高血糖によってコラーゲン(タンパク質)がAGE化すると老化が進むということです。体中のコラーゲンがAGE化するとシミやシワなどの老け顔になったり、動脈硬化が起きたり、骨がもろくなる、変形性関節症の発症などさまざまな機能障害が起きてしまいます」

血糖値の上昇を抑え、抗糖化作用をもつ

そこでAGEを発生させないためには、こんがり色の食品を避ける、血糖値が急上昇しないような食べ方をするなどが効果的だ。前回で紹介したように液体の糖類摂取をやめたり、あるいは野菜から食べるなど、要は「糖質がすぐさま腸に吸収されること」を防げばいい。

ここで活躍するのがヨーグルトだ。

同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センター客員教授の八木雅之氏は長年の研究により、ヨーグルトが血糖値の上昇を抑え、抗糖化作用をもつことを突き止めた。

「野菜類や果物に含まれるフラボノイドというポリフェノールの一種に強力な抗炎症作用があり、糖化を抑える働きがあります。それはもともとよく知られていたことでもありますが、私たちも改めて確かめました。続いて我々の研究では、ポリフェノールがあるはずのないヨーグルトにも糖化を抑える反応があるということがわかりました。ヨーグルトを食事に取り入れることで血糖値が上がりにくくなるのです。この作用は牛乳にはありません」

八木氏らが▽米飯のみ▽野菜サラダと米▽ヨーグルトと米という3パターンで食後血糖値を比較したところ、「ヨーグルトと米」の組み合わせは「野菜サラダから先に食べる」食事法と同等以上に、食後の血糖値を下げることがわかった(A図)。食前摂取でも食後でもその結果は変わらない。食事は、「野菜から」だけではなく「ヨーグルトファースト」でもいいということだ。

図表1 プレーンヨーグルトまたは野菜サラダを米飯よりも先に摂取した後の食後血糖値変化図A:プレーンヨーグルトまたは野菜サラダを米飯よりも先に摂取した後の食後血糖値変化

試写会
米アカデミー賞候補作『教皇選挙』一般試写会 30組60名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中