「ポリアモリー」という生き方──複数のパートナーがいても、子育てはちゃんとできる
“I’m a Polyamorous Parent”
ポリアモリーを実践して幸せだったと言う筆者(第2子妊娠の頃) TIMMY ROBB 2021
<全員の同意を得て複数と関係を結ぶ「ポリアモリー」が、何かを諦める必要のない大いなる自由に導いてくれた>
私と婚約者が友人たちと食事をしていたときのこと。友人の1人が「あなたたちはポリアモリーを考えたことはないの?」と聞いてきた。ポリアモリーとは、関与するパートナー全ての合意を得て、複数のパートナーと親密な関係を結ぶことをいう。
婚約者とは4年の付き合いで、数カ月後に結婚する予定だった。しかしその瞬間、体中に電気が走ったような気がした。私は自分がポリアモリー主義者なのだと悟った。
私はクィア(性的少数派)なので、願望を全て満たしてくれるタイプの人などいないと思っていた。ポリアモリーなら、人生で経験したいことを何一つ諦める必要がない。
婚約者は少々おじけづいていた。私たちの関係はどうなるのか、誰かが自分の代わりになるのかと恐れていた。その時点で私たちは何も決めず、2013年に結婚した。
数カ月後、私はある人に出会い、ものすごく好きになった。だから夫に、こう言わざるを得なかった。「私はこういう人間で、こうしたい。駄目なら、私たちの関係を見直す必要がある」
夫はやむなく同意した。私に強制されたとは言わなかったが、暗い廊下を引きずられるみたいだ、と表現した。
私たち夫婦は「キッチンテーブル・ポリアモリー」という形を取っている。お互いのパートナーも含めて、みんながキッチンテーブルで食事を一緒にできるくらい親しいという関係だ。夫は家の中で私のパートナーのそばにいることが多いし、私は夫のパートナーととても仲がいい。
嫉妬に苦しんだ日々も
1歳半と4歳半になる子供がいなければ、私たち夫婦のライフスタイルは全く異なっていただろう。1人目の子を妊娠したとき、夫と私は既に5年にわたりポリアモリーを実践していたが、大きな問題はなかった。しかし2人目のときは、夫が新しいパートナーと出会ったばかり。それが彼にとって初めての非常に強い関係だったため、いくつか問題が起こった。
妊娠中のホルモンの影響もあり、私は激しい嫉妬に苦しんだ。それでも私たちは共に事態を把握していたから、2人目の子の妊娠期間を謙虚な姿勢で美しい時間にできた。
私たち夫婦は、健全な家族関係を維持しながら、お互いができるだけ自分らしくいられるように心掛けてきた。そのために「自律の時間」を設けている。「親」や「パートナー」という役割を離れ、好きなことをやっていい時間だ。その時間は聖書の勉強会であれ、乱交パーティーであれ、何をしても互いに気にしない。