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高圧的な白人中年女性を表す「カレン」の大流行が、多くのカレンたちを傷つけている問題

Words Can Hurt

2022年12月1日(木)14時47分
カレン・グロス(教育者、作家)


名前の扱いは慎重に

私は今、メールや署名のほとんどで、カレンという名前の代わりに「K」という文字を使っている。改名も考えたが、この年(70歳)になると難しい。

「カレン・グロス」名義の本やプロジェクトもたくさんあるからだ。その代わり、署名するときはイニシャルのKだけを使う。今さら正式に改名するつもりはない。でも他者には注意深く接し、人の名前をおとしめるようなことはしたくないと思う。

「カレン」というミームは、自分の名前が一般的でないとか、発音が難しいといった理由で嫌がらせを受けたり、からかわれたりする子供たちのトラウマを思い起こさせる。

私は十分に齢を重ね、ある種の自由を獲得しているので、自分の名前にケチをつけられたときには堂々と文句を言える。私の名前を侮蔑的なやり方で使う人には、はっきりと抗議できる。

名前だけではない。地位やジェンダー、人種や民族などで人を分類するような言動に関して、私たちはもっと思慮深くあるべきだと思う。

このテーマについて議論することが、人が誰かの名前について何かを言おうとするときに、何の抵抗もなく発してきた一言を控えるきっかけになるのなら、十分に価値のあることだと思う。

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