「自己肯定感低い人」がパートナーに求めがちなこと 超努力家のナルシストには気をつけろ
自己肯定感の低い人はナルシストになりやすく、相手に多く求める傾向があるようです SDI Productions - iStockphoto
自己肯定感の低い人は、意識的、あるいは無意識的に自分が傷つかないように、さまざまな自己防衛策を講じますが、これが人間関係を難しくしていることが少なくありません。本稿では、自己肯定感の低い人が離れられなくなりがちな危険なパートナーについて、心理療法士として長い経験を持つシュテファニー・シュタール著『「本当の自分」がわかる心理学』より紹介します。
自己肯定感低いゆえに「相手を過小評価」
ギリシャ神話に登場する美しい青年ナルキッソスは、ある日、水面に映る自分の姿に恋してしまい、その日から飽くなき自己愛にとらわれてしまいます。この神話にちなんで、ナルキッソスのように自分自身に陶酔し、自分を非常に優れた重要な人物だと思っている人のことを「ナルシスト」、自己愛のことを「ナルシシズム」と呼びます。
しかし、自己の偉大さと正当性を誇示する行為は、実は傷ついた自分をできるかぎり感じないようにするための心理的な防衛戦略の1つです。
ナルシストの人格を形成する人は、本当は「自分は価値のない、みじめな存在」と感じており、それを意識しないようにするために「理想的な第二の自分」をつくることを子どものころに学んだのです。
そのような人は、自分が「平均以上」になるためならなんでもして、理想的な自分をつくり上げます。「自分は理想とはまったくかけ離れている」と感じているがゆえに、特別な存在になれるよう、ものすごく努力するのです。並外れた成績や権力、美、成功、承認を得るために、なんでもしようとします。
その中には、「他者を過小評価する」という戦略も入っています。ナルシストは相手の弱みに非常に敏感で、その弱みを辛らつな言葉で批判したがります。それは、ナルシストが自分の弱みに耐えられず、それゆえ自分の周りの人の弱みも許すことができないから。
そして、ナルシストは他者の弱みに焦点を当てることで、自分の弱みを視界に入れないようにします。要は、他者の弱みを批判して、その人に不安と劣等感――ナルシスト自身がまさに感じたくない感情――を押しつけるのです。