部下に長時間労働を課す管理職は罰金を払わされる国
LIFE BEFORE WORK
さらに労働裁判所という、雇用や労働に関する問題だけを扱う裁判所がある。この裁判所は労働者に有利な判決を下すことが多いため、企業は社員がもめ事を労働裁判所に持ち込まないよう、労働条件をよくする必要がある。
また、法律や規則を厳しく遵守するという国民性も影響している。現在ドイツでは人手不足が続いているので、休暇や労働時間に関する法律を守らない「ブラック企業」には、優秀な人材が集まらない。
日本で顧客が取引先に電話をかけた際、「担当者は休暇で3週間連絡がつきません」と言われたら、顧客は不機嫌になるだろう。だが、ドイツでは同僚が対応できれば問題ない。「仕事は人ではなく、会社に付いている」という意識があるのだ。
もう1つ重要なのは、自分が休むときの代役を決めておくこと。社員が自分の仕事を抱え込むことは禁物だ。会社のサーバーに誰でもアクセスできれば、同僚がすぐ対応できる。こういった体制があってこその長期休暇なのである。
<2020年4月21日号「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集より>
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2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。