これぞトランプ印の「黄金」時代! 原因が原因だけに価格上昇はまだ続く?
Gold's Value Is Surging Under Donald Trump
それに加えて、トランプがいま貿易戦争を誘発しかねない関税政策を取り始めたことで、金の記録的な上昇がさらに加速した。これまでの予測は完全に覆され、年末には1オンスあたり3000ドルの節目に近づくか、それを超えると予想されている。
「価格上昇の短期的な推進力は3つ。トランプ、トランプ、トランプだ」と、オンライン貴金属投資サービス、ブリオンボールトでリサーチ・ディレクターを務めるエイドリアン・アッシュは語る。
「関税リスク」とそれが世界貿易と地政学に及ぼす影響が「金市場を怯えさせ、アメリカに殺到させた」と彼は言う。
この傾向は金に限ったことではない。2024年12月のアメリカの貿易赤字額が984億ドルと、ほぼ3年ぶりの高水準となった。これは「誰もがアメリカへのモノの輸出を急いでいる」証拠だという。
金価格は歴史的に他の資産のパフォーマンスが悪いときに上昇するものだ。だが現在は、株式市場が活況を呈すると同時に、金が史上最高値を更新している。この一見矛盾した状況は、「多くの資金が落着き先を探しており、株式市場の周辺にもまだ多くの不安要素がある」ことを示している、とアッシュは述べた。
オランダの銀行・金融サービスグループINGの最近の分析も、トランプの関税政策と中国の報復措置が金の直近の上昇に寄与していると指摘している。