最新記事
投資

日本株、なお魅力的な投資対象 年初来の株高でも──市場関係者

2024年4月18日(木)11時21分
ロイター

日本株が年初来で大幅に上昇しているにもかかわらず、投資対象としての魅力は失われていないとの見方が市場に広がっている。2014年12月撮影(2024年 ロイター/Yuya Shino)

日本株が年初来で大幅に上昇しているにもかかわらず、投資対象としての魅力は失われていないとの見方が市場に広がっている。なお魅力的なバリュエーションなどを背景に一段高が見込まれるためだ。

日経平均は3月に史上最高値を更新したが、それでもなお日本のコーポレート・ガバナンスの改善に支えられた収益やマクロ的なファンダメンタルズ(基礎的条件)が引き続き楽観的な見方を支援しているという。

 

JPモルガンアセットマネジメントの日本株ポートフォリオマネジャー兼カントリースペシャリストの坂井美智子氏はロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで、日本市場の株価収益率(PER)は過去15年の平均をわずかに上回っているに過ぎないとし、さまざまな好材料を全て織り込み済みとは言い難いとの見解を示した。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新のファンドマネジャー調査によると、日本はアジアで「注目の市場」であり、回答者の大半は今後12カ月間に日本からプラスのリターンが得られると予想している。

坂井氏は、日本が数十年続いたデフレ期を終えようとしている兆候は大きな転換点とし、「ボトムアップ」投資の重要性を強調。日本における自動化、ヘルスケア、保険、自動車の各分野を成長に向けた有望な機会と捉えているとした。

コムジェストのポートフォリオマネジャー、リチャード・ケイ氏は、日本は生まれ変わりにおける黎明(れいめい)期の段階にあると言及。国内投資家が市場に戻りつつあり、日本では大きな変化が起こっているとした。

また、自身の投資戦略は、独自の技術を持ち、アジアに対するエクスポージャーがあり、国内で変革のストーリーを持つ企業に重点を置いているとし、これらの企業は長期的な持続可能性に裏付けられていると語った。

アムンディ・インベストメント・インスティテュートのシニア新興市場ストラテジスト、クレア・ファン氏は、これまでの株高は大型輸出株が牽引してきたが、今後はバリュー株、中小型株、国内向けビジネスを手掛ける企業に広がると予想。日本には高齢化や慢性的な需要不足など構造的な課題が依然として残っているが、これを理由に日銀は緩和的な金融情勢をより長期にわたり維持するだろうと述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏メディア企業、暗号資産決済サービス開発を

ワールド

レバノン東部で47人死亡、停戦交渉中もイスラエル軍

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中