最新記事

英語学習

英語学習のモチベーションを保つには、目標設定がカギになる

2019年1月25日(金)10時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

モチベーションの維持も不可欠

TOEIC L&Rで高得点を狙うには、英語の能力を向上させる地道な努力を怠らないことが大切だ。一方で、加藤氏は「英語力だけで勝負しても思うようにスコアが伸びないこともある。受験スキルを高めるテクニックも不可欠で、この2つのバランスが重要」と強調する。

ここでいうテクニックとは、予測される傾向やパターンを頭に叩き込むこと。例えば、リスニングの写真描写問題なら、この問題にしか出てこない、特有の単語を覚えておくような対策だ。リスニングの会話問題や説明文問題でも、何を問われているのかがすぐに判断できるようにしておくことで、問題にスムーズに解答できるようになる。

基礎的な英語力やテクニックを身につける上で、不可欠なのがモチベーションの維持だろう。目標設定がある人と、そうでない人では学習に対する姿勢そのものが大きく違う。何点を目指すのかというスコアはもちろん、なぜそのスコアが必要なのか、目標を達成したら何がしたいのかというビジョンがあると、モチベーションを保ちやすい。また、学習成果をしっかりと確認・記録することも役立つ。

例えば、最低でも3回は繰り返さなければならないという対策問題集への取り組み。初めて解いたときに70%しかできなかったのが、2回目の挑戦では85%できたというように、自分の学習成果を確認しながら勉強することも効果がある。もちろん、正解の根拠や重要表現をその都度チェックすることが大切だ。

toeic170614-03.jpg

TOEIC対策の授業風景(写真提供:エッセンス イングリッシュスクール)

「TOEIC L&Rの教材だけで勉強しても、内容に対して興味を持って取り組める人は少ない。だから、教材以外の英語に触れる機会をつくるといい」と言う加藤氏が勧めるのは、英語で楽しめる海外のYouTube動画や、海外ドラマなどを見ることだ。直接的なスコアアップになるわけではないが、学習に対する意識が変わり、英語そのものを純粋に楽しむことができる。さらに、そこで身につけた英語の表現が実際に試験に出てくると、実生活と試験が繋がり、学習に対する意欲が高まる。

最後に、試験に対する心構えについて聞いてみた。「自分の能力以上のものを発揮しようとしないこと。というのも、75分間のリーディングセクションは、ほとんどの人が時間内に最後まで解き終わることができない。そのことを理解していれば、出来る範囲の中で確実に正解を狙っていこうという意識に変わってくる。満点を目指すのでない限り、最後まで解き終わらなくても目標のスコアは達成できる」と、加藤氏はアドバイスする。

英語力を地道に高めていき、確実に正解できる問題を増やすことが何よりの近道。そうすれば、高得点を取るだけでなく、実生活での英語のコミュニケーション能力も向上しているはずだ。

<この記事は2017年6月14日掲載記事の再掲載です>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、東シナ海で実弾射撃訓練 台湾周辺の演習エス

ワールド

今年のドイツ成長率予想0.2%に下方修正、回復は緩

ワールド

米民主上院議員が25時間以上演説、過去最長 トラン

ワールド

ロシア政府系ファンド責任者が訪米、2日に米特使と会
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中