仕事と私生活を「別人格」で生きる...SFドラマ『セヴェランス』とは? 多くの批評家が「年間ベスト作品」に
How the Other Half Live
ルーモンの非道さは事情を探っているスカウトには衝撃的かもしれないが、この会社の奇妙な仕事を見ている視聴者は驚かないだろう。スーツ姿の男性従業員が子ヤギに哺乳瓶でミルクを飲ませていたり、目標達成のご褒美が「5分間の音楽ダンス体験」だったりという具合だ。
ベテラン俳優クリストファー・ウォーケン(Christopher Walken)が演じるバート・グッドマンは光学デザイン部の部長。彼のチームはオフィス内にサブリミナル効果を計算した絵画を飾っている。
アークエットが演じる中間管理職のハーモニー・コベルは、会社のカルト的なやり方に心酔している。従業員の反抗を抑え込む責任者として厳しく管理し、規則に従わない者には激高する。一方、会社の外の生活ではスカウトの隣人であり、特に害もなさそうな年長者として、彼のアウティーの生活に溶け込んで監視している。
冷淡なコベルはポーカーフェースに徹しているが、非常に危険な人物でもあるとアークエットは語る。
会社に忠実な管理職であることに全人生をささげてきたコベルは、シーズン1の終盤でクビになったときから壊れ始める。シーズン2の序盤では、自暴自棄になった彼女が、これまで以上に不穏な行動を取る様子が描かれる。