「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
‘I’m the Highest Earner in Esports’
できれば無名に戻りたい
対戦型ゲームをスポーツとして楽しむeスポーツは著しい成長を遂げてきた。最大の節目は2011年に、人気作品『ドータ2(Dota2)』の世界大会ザ・インターナショナル(TI)が開催されるようになったことだ。
5人組のチームが激突するトーナメント式の大会で、優勝チームは多額の賞金を得られる。第1回TIの賞金が100万ドルとなったことは、eスポーツを新たなレベルに引き上げたと思う。
私は10歳頃から『ドータ』を始め、そこで使ったN0tail(ノーテイル)というゲーマータグ(ユーザー名)でeスポーツの世界で知られるようになった。多くの人が私のプレーを見て、会ったことがなくてもよく知っているキャラクターのように思うようになったのだ。
eスポーツファンとの交流はとても良い経験になったと思う。でも本来は内向的な性格だから、有名になるのはちょっとつらかった。常に注目されることで輝く人もいるけれど、私は違う。
無名に戻れるボタンがあるなら、それを押したいね。プライバシーはあったほうがいい。
私が本格的に始めた頃は、(プロのゲーマーなんて、という)疎外感があったけれど、今は全く違う。これはドータ2の開発元であるバルブといった企業のメディア戦略によるところが大きいと思う。彼らはeスポーツのイメージアップに大きく貢献した。