最新記事
MLB

【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平が「花開く」瞬間...「彼はロボットではなくチームメイト」

OHTANI BLOSSOMING

2024年10月2日(水)17時20分
スコット・ミラー(MLB専門スポーツジャーナリスト)
日本生まれのロバーツ監督は大谷の変化に驚かされた JOHN FISHER/GETTY IMAGES

日本生まれのロバーツ監督は大谷の変化に驚かされた JOHN FISHER/GETTY IMAGES

<彼は野球が超絶にうまいロボットではなくチームメイトだ──ロバーツ監督が語る大谷の変化と超人的能力>

昨年12月にロサンゼルス・ドジャースと10年総額7億ドルの超大型契約を結んだスーパースター、大谷翔平。MLB(米大リーグ)史上最大の契約がどのような展開になるのか、そのときは誰にも分からなかった。球界も、ドジャースも、そしてもちろんデーブ・ロバーツ監督も。

ロバーツはドジャースの指揮官として9年目の今シーズンを、通算監督勝率6割3分(753勝443敗)でスタートした。通算850試合以上を指揮した監督では歴代1位の戦績だ。主力選手にはムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、クレイトン・カーショウ、そして野球史上最も注目度の高い1人である大谷と、MVPが4人そろっている。大谷の加入はロバーツとドジャースにとって最高の補強になることは確実な一方、挑戦でもあった。


この夏、ドジャースはここ12シーズンで11回目となるナショナルリーグ西地区優勝に向けて突き進み、大谷はまたも期待以上の活躍を見せていた。そんな折、MLB取材歴33年のスポーツジャーナリスト、スコット・ミラーがロバーツに話を聞いた。

◇ ◇ ◇


──大谷翔平の監督という仕事を楽しんでいるか。大谷との関係は春からどう変わったか。

今も変化している。そう、最も変わったのは関係だ。彼の行動の動機が分かるようになってきた。彼の性格についてもいろいろ学んでいる。

とても面白いところもあるよ。優れた才能と競争心を持っていることは間違いない。私たちはとにかくいい会話をしている。そして、彼が本来の自分へと花開くのを目撃することができた。野球が超絶にうまい機械やロボットというのではなく、素晴らしいチームメイトだ。

──花開いた、というのは?

コーチや選手、私と話をする彼を見ていると、こんなふうに笑うのかと思うし、ほかの選手とは投手の傾向の話をしたりしている。本当の意味でチームの一員になった。

──水原一平をめぐる一連の出来事の後、ウィル・アイアトンを新しい通訳に迎えた大谷がよりオープンになり、よりよいチームメイトになったとあなたは話していた。その変化は続いているか。

あの日が境界線になったといわれるが、あの出来事が起きた後、彼は自分の人生は自分で決めなければならないことを理解したのだろう。彼はあの経験から学び、はるかに自立するようになった。コミュニケーションや周囲の手助けとのパイプ役や緩衝材を失って、彼自身が成長したのだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、3月は50割り込む 関税受

ビジネス

米2月求人件数、19万件減少 関税懸念で労働需要抑

ワールド

相互関税は即時発効、トランプ氏が2日発表後=ホワイ

ワールド

バンス氏、「融和」示すイタリア訪問を計画 2月下旬
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中