ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
BETTS ON OHTANI
──先ほど大谷選手は普通の男と話していたが、さすがに突然の結婚報告には驚いた?
うーん、実際のところ、どっちでもいいんだよね。僕は彼が彼らしくいてくれればいいなとしか思っていない。
ただ、恐らく世界中が驚いたんじゃない? そういう意味で、ちょっとつらいなと思うのが、彼が結婚するのも大変、誰かに邪魔されずに外を歩くこともできない立場にあるということ。
自由がないのはしんどい。僕はそれをとても気の毒に思う。そこまで彼がすごいということだから、幸せなことなんだけど。
──ドジャース移籍で大谷選手の知名度は確実に上がった。
彼はスーパーに買い物にも行けない。ドッグパークに犬を連れて行きたくてもできない。どこへ行っても人が追跡してくるだろう? ただ愛犬や妻や両親と散歩したいだけかもしれないのに、それができない。
僕らにとっては普通のこと、当たり前だから感謝するのを忘れてしまっているようなことが彼にはできないんだ。仕方のないことではあるけど、かなりつらいことだと僕は思う。
──以前は、犬の散歩やスーパーへ買い出しにも行っていたようだが。
今はもう無理だよね。メディアが毎日、彼の家の前を張っているだろうから、行ける場所がない。世界で最高の選手でいることの宿命なんだろうけどさ。
──宿命といえば、最近はニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が追いかける本塁打記録と大谷選手が追う50-50のどちらのほうがすごいかという議論が熱く繰り広げられているが、ベッツ選手はどう感じている?(本記事の取材は9月上旬。現地時間9月30日時点で本塁打はジャッジ58本、大谷54本)
みんなもう比較するのはやめて、2人の偉大さに感謝すべきだと思うね。だんだん当たり前みたいになってしまっているけど、僕らが置かれている状況はすごいんだ。すごいことをやっている選手が2人もいる。
ジャッジが(22年に自身が達成したシーズン62本のアメリカンリーグ記録を抜く)63号を打ったらめちゃくちゃかっこいい。ショウが50-50を達成したらめちゃくちゃかっこいい。どちらのほうがすごいとかない。
2人の偉業は本当に素晴らしいものだから、いいとか悪いとか比較をするよりも楽しんだほうがいい。だって、どうやったら63号が50-50よりすごいと言えるんだい? 逆もしかり。全く違うじゃないか。同じなのは両方とも素晴らしい偉業で、僕は両方とも達成してほしいと願っている。
そして僕は自分の子供たちに、パパは目の前でその瞬間を見られたよって伝えたい。だから見方を変えて、それぞれができる最高を存分に発揮してもらうような空間をつくっていこう。
2人ともアメージング。どちらも、誰も超えたことのない領域に行こうとしている。その瞬間を見ることができて、どちらも友達と呼べることが幸せだよ。