最新記事
ミュージカル

俳優・大野拓朗、日英共同制作のミュージカル『太平洋序曲』で海外初舞台、さらなる高みへ

Takuro Ohno

2024年8月9日(金)17時23分
知久敏之(本誌記者)
俳優・大野拓朗、日英共同制作のミュージカル『太平洋序曲』で海外初舞台、さらなる高みへ

一俳優として ロンドン公演でペリーと交渉する奉行所の役人を演じた大野 MANUEL HARLAN

<2010年にデビュー、映画、ドラマや舞台で活躍する俳優の大野拓朗(35)。19年にはアメリカへの語学留学も経験、かねてから世界進出の夢を抱く大野に話を聞いた>

昨年11月から今年2月までロンドンで上演された日英共同制作のミュージカル『太平洋序曲(Pacific Overtures)』で、海外初舞台を踏んだ。

今後はイギリスで本格的に俳優としてのキャリアを磨きたいと語る大野に、本誌・知久敏之が話を聞いた。


◇ ◇ ◇



──初めての海外公演は難しかった?

とても大変だった。自分の英語はネイティブレベルではないし、この作品は歴史をテーマにした時代劇のようなものなので、そのニュアンス、イントネーションを英語で演じることが難しかった。

劇中の歌も(スティーブン・)ソンドハイム作曲の難解な曲で、英語ネイティブでも歌うのが難しい楽曲ばかり。そのハードルも高かった。

──現地の観客の反応は?

すごく手応えがあった。メニエール・チョコレート・ファクトリー劇場では、楽屋口にバーエリアがあって、お客様から「よかったよ」「素晴らしかったよ」と声をかけられたり、たまに一杯ごちそうしていただいたり......。

すごくフランクな環境で感想を直接耳にして、批評家にもたくさん評価してもらった。

もともとは、英語文化を深く理解し、英語をもっと自由自在に使えるようになってから、英語での芝居をしたいと思っていた。

一つ一つのセリフについて、どうしてこの言葉を使って、この言い回しをして、キャラクターが何を伝えたいのか、それらを理解していないと芝居ができないという思いがあったから。

だから今回、この作品で評価してもらえたことはうれしい半面、自分ではやっぱりまだまだだと再確認できた。もっともっとやらなければならないことがたくさんあるな、という学びになった。

──俳優になる前から海外志向はあった?

小さい頃から、親と一緒によく海外映画を見ていた。その影響か、海外に住んだり世界中を飛び回る仕事がしたい、という目標が漠然とあった。

俳優になってからは、仕事をするのが楽しくて、一生懸命に20代を走ってきた。30歳になるときに人生を振り返ってみると、「そういえば世界を飛び回りたいって言ってたのに、全然英語しゃべれないな」と。

海外での仕事で現地のスタッフさんと英語で話せないのが悔しかったこともあり、思いが強くなっていった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:イスラエル軍の秘密情報部隊が関与か、ヒズ

ワールド

豪8月就業者数は予想上回る、失業率横ばい 労働市場

ワールド

自社製品か確認できずとアイコム、レバノンの無線機爆

ワールド

深セン日本人学校の児童死亡、中国に安全確保強く求め
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 2
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁断の韓国ドラマ」とは?
  • 3
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエルのハイテク攻撃か
  • 4
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 5
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 6
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 7
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高…
  • 10
    米大統領選を左右するかもしれない「ハリスの大笑い」
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 8
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 9
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中